成功している起業家と、あなたの違いについて比較したことはあるだろうか。
書籍になっている「成功談」を読んで、
「ああ、この人は22歳で独立している。自分はもう25歳だ。自分は何をやっているのだろう。」
などと考えたことはないだろうか。
私も、いつも成功者と自分を比較していた時期があった。
様々な成功者の本を読み、彼らと比較し、「自分は、自分は、」と考えてしまうのだ。
ところがある時、その比較が無駄であることに気がついた。
若くして成功している起業家には下記のような特徴を持っていることが多い。
・幼い頃にお金で苦労した
・親が有名な経営者で、その後ろ姿を見ていた
・変わり者で、小さい頃からビジネスに興味があった
つまり、若くして「人と違う」ことをしているのは、それなりの背景を持っているのである。
例えば、
外食大手「ワタミ株式会社」の渡辺美樹社長。彼の場合は、小学校の時にお父さんの会社が倒産し、大変な苦労をされている。それで小学校の時に、「大人になったら社長になる」と思い続けていたとのこと。
その後、大学を卒業して数年間、有限会社の設立資金として300万円を貯めるために佐川急便のドライバーをやり抜いた。
次に、誰もが知るソフトバンクの孫正義社長。彼の父親は地元佐賀県でパチンコのチェーン店を営んでおり、その経営手法を小さいながらに見ていたとのこと。彼は18歳でアメリカに留学し、そのままビジネスを始め、今日に至る。
次に、世界一の金持ちと言われたマイクロソフト創業者のビル・ゲイツ。彼の両親は経営者ではなく弁護士だったが、彼は小学生の頃から「世界のお金持ち起業家」のような本を持ち歩き、「将来は世界一のお金持ちになる」という信念を持っていたようだ。
あなたは、これらに近い経験をお持ちだろうか。
私の場合、父親が自営業だったというぐらいで、大きな苦労を味わったわけでもないし、平穏平和な人生を歩んできた。
そして、独立を意識したのは大学の就職活動の時。
そんな自分が、「小学校時代から起業の準備をしてきた」彼らにかなうはずがないではないか。
私が学んできた起業家達は、だいたい思い立ってから10年後あたりから芽を出してきている。
20代で成功している人は10代から、30代で成功している人は20代から、という感じ。
だから、私の中では「起業を思い立ってから10年」が、成功までの平均的な道のりと考えている。
私の場合も、22歳頃に独立を意識し、29歳でやっと芽を出すことができた。それまで約7年。
もちろん、この期間は個人差があるだろうし、最近のネットを活用したビジネスであれば、5年以内に芽を出すことも可能かと思う。
また、勤めていた会社が倒産したとか、突然離婚して女1人で育児をしなければならなくなったとか、大きな出来事があった時には一念発起して起業への道をつき進む例もある。
結論としては、私のように平穏平和に過ごしてきた人間にとって、起業を思い立ってから実際に起業し、ある程度の成功を収めるようになるにはやはり「時間」が必要なのである。
これは、専門知識やスキルといったことではなく、あくまで「メンタル面」での熟成期間である。
その間に、「自分は本当に起業したいのか」「起業したら幸せになれるか」といったことをあれこれ考えるのである。
従って、成功者の体験談を読むことは「参考程度」「意識の高揚」「モチベーションの向上」には良いが、自分と比較することは無意味である。
自分については、平穏平和な日々を送っている以上、やはり日々「自分の心と対話する」ほかないのである。