あなたが人生において何かを成し遂げたいと思う時、最初は『既に成功している人』から学ぼうとするでしょう。ただ、その人の真似をすることが、本当にあなたにとって良いことかどうかはわかりません。時流は常に変化しているので、過去の成功者の真似をすることが、今の時流に合っていないかもしれません。そのような時に知っておいて欲しい考え方です。
私は大学に入って自分の将来について考えていた頃、様々な偉人の本や当時活躍されていた起業家の方の本を読み漁っていた時期がありました。
その方達がたどり着いていた、輝かしい『成功』の地点に、自分がどれだけ早くたどり着けるのだろう、何をすればそのようになれるのだろう、ということばかり考えていました。
雑誌に掲載されていた若い社長さんに会いに行ったり、学生ながら異業種交流会に参加したりしていました。
当時の私は、『成功』を目指していました。
わかりやすく言うと、
ソフトバンクの孫さんのように、若くして会社を作って、社員を増やして、ここぞという時に勝負をかけ、会社を上場させ、海外に進出して、企業を買収して、時価総額世界一を目指して。。。
という世界に憧れを感じていました。
ただ、憧れを感じてはいても、実際にその方向に行動を落とし込めている自分はいませんでした。
当時は、『自分には孫さんのような度胸や能力がないから』と思ったりしていたのですが、その後社会人経験を積んでいくうちに、次第にそうではないことがわかってきました。
自分や周囲の人が重大なピンチに陥った時に、他の人にはできない行動をとり、自分の中にとても強い力が秘められていたことに気づきました。
この時の私は、自分に『使命感』を持って行動していたことがわかりました。
人にはそれぞれ持って生まれた使命があり、その使命を全うしようとする時に、その人にしかできないことができたり、その人にしか持っていない輝きを放ったりできるのだ、ということを理解しました。
30歳以降の私は、自分の使命について考えながら生きてきました。
自分の成功のモデルを人と重ねあわせるのではなく、自分の内面と向き合って、
- 自分にとって大事なことは何か?
- 何をしている時に自分は幸せか?
- 世界をより良くするために自分にとってできることは何か?
といったことを、自分の心と1つ1つ対話していきました。
すると、
- 増収増益
- 右肩上がり
- 時価総額経営
- 大企業神話
といったものは、物質的なインフラが整うまで必要だったことであり、これからは重要ではない、ということがわかりました。
現在のインターネットの普及率は80%以上?
日本にインターネットが入って普及しはじめたのは、私が大学に入った1995年ぐらいからで、それから15年ぐらいで一気に普及していきました。
この15年で、世界の企業の力関係も一気に変わりました。
インターネットの普及とともに、情報化社会が到来し、変化の速さもとても速くなりました。
気がついてみたら、日本においては全人口の80%以上の方が、パソコンや携帯端末でインターネットに繋がる時代。
テレビを見る人が少なくなり、マスメディア主導の『固定の価値観』にとらわれることが減少し、個人の価値観はかなり多種多様になりました。
つまり、物理的インフラ、情報インフラが整ったことで、物質的な豊かさを求める時代は終焉した
と感じています。
都内の一等地に住む本質的な意味とは?
例えば都内の一等地の高級住宅に住むということは、
1)実質的に便利
2)人に憧れられたい
と、大きく分けて2つのメリットがあったのですが、
1)に関していえば、交通網の発達によって1日もあれば送料無料で商品が届くようになり、LCCの普及に伴い安い価格で日本全国あちこちに飛び回れるようになりましたし、
2)に関していえば、価値観が多様化してしまったため、以前よりもこういったことに魅力を感じる人が、少なくなってきています。
高級ブランドの商品を買うことの本質的な意味とは?
例えば高級ブランドの商品を買うということは、
1)実際にデザイン性・機能性が高く耐久性がある
2)人に憧れられたい
と、大きく分けて2つのメリットがあったのですが、
デザイン性に関しては、高級ブランドでなくても高いデザイン性を持つ商品が沢山出てきており、(これも情報化社会の恩恵)価値観が多種多様化したために、商品を選択する基準が『デザインの優劣』ではなく、『好み』の問題になってきています。
機能性や耐久性に関しては、むしろ高級ブランドよりも、優れた専門ブランドが沢山出てきています。
2)に関しては家の話と同じですね。
物質的豊かさよりも精神的豊かさを重視する時代へ
高度成長期に先進国の仲間入りを果たした私達日本人は、『精神的な豊かさ』を求める時代に入っていると思います。
ヨガやスピリチュアルのブームが起きているのも、精神的な豊かさを求める時代になっていることの象徴だと思います。
1998年にEQ(こころの知能指数)という書籍が生まれ話題になりましたが、まさにEQを本格的に追究していく時代になったと思います。
物質的な豊かさと精神的な豊かさ、生きていくうえではどちらも重要だと思いますが、私達日本人にとっては、物質的な豊かさがある程度手に入るようになったので、物質的な豊かさを再優先する時代から、精神的な豊かさを再優先する時代に変わったと思います。
資本主義社会から精神主義社会に移った
と言っても過言ではないと思います。
私が孫さんのような成功を目指すことに、資本主義社会の勝ち組を目指すことに、なんとなく邁進できなかったのは、このことを私の潜在意識が悟っていたからではないか、また、私の使命の舞台が資本主義社会にあったのではなく、精神主義社会にあったからだと考えると、今この成幸村という活動をしていることも、とても腑に落ちるようになりました。
会社を大きくすることに邁進していたら、規模が大きくなればなるほど、全員を満足させることが難しくなります。
会社を上場させていたら、株主のために会社を運営しなければならないという、本末転倒なことになっていたかもしれませんし、最近の株式市場を見る限り、会社の業績に関わらず、株価は上下してしまいます。大口の投資家の思惑によって、自分の会社の株価が操縦され、買収されてしまう、ということもあり得ます。
そのまた逆もしかりで、自分の会社が他の会社を買収したことによって、買収された会社の社員の方の生活を奪うこともあるかもしれません。
自分が資本主義社会で勝ち上がるということは、同時に多くの敗者を生み出すことになります。
だからこそ、私が資本主義社会において勝ち上がることにあまり魅力を感じなかったのだ、ということがわかりました。
資本主義社会から精神主義社会へ移行するということは、パラダイム・シフトが起きるということです。
今までの価値観や考え方にとらわれていては、スムーズに移行することはできません。
私の使命は、1人でも多くの方を精神主義社会へとスムーズに移行できるようなお手伝いをすることだったのだ、ということをあらためて実感しました。
まとめ
最初の話に戻ると、私は人生で何らかのことを成し遂げたいと思い立った時に、当初は既に活躍されている方の人生をモデルにしたけど、最終的にはやはり自分の内面にヒントがあり、自分の内面と対話を続けることで、自分の使命にたどり着くことができた、だから、この記事を読んで下さっている方も、私と同じ人生ではなく、あなただけにしかできない人生がありますよ、ということをお伝えしたいと思います。