私は、実は今までに2度、独立している。
1度目は、会社勤めをして1年半経ったとき。
実家の宮崎から九州大学に進学するも、就職活動を完全にサボっており、就職活動に失敗していた私は、そのまま地元の中流のIT企業に就職し、馬車馬のように働く日々。
技術力にある程度の自信をつけた私は、あるきっかけで上京することへ。
東京では、技術力さえあればいくらでも仕事がある風潮だったので、そのまま「個人事業主」として活動していた。
ところが、自分で営業活動もし、仕事もこなし、というサイクルに疲れた。
また、最終的には自分の会社を持ちたいという気持ちと、「まだ社会経験が足りないのでは」という気持ちが交錯して、
中途半端な状態だった。
わずか会社員経験1年半で、ビジネスもろくに知らない若造が、社会でのし上がっていくためには、かなり泥臭いことをやっていかないといけないというイメージがあった。
また、大学まではそこそこ一流の道を進んできたので、一流の企業というものを体験してみたかったし、そこで実績を積んだ後に独立したほうが何かと得をなのではないか、という迷いがあった。
そこで、リクナビ等の転職サイトで就職動を行い、ITコンサルの会社を受けまくった。
たまたま、「アクセンチュア」という会社が、私を受け入れてくれた。
外資系で給与も高め、また「コンサルタント」という響きに非常に憧れを持っていた。
周囲も慶応、早稲田、東大、京大など、そうそうたる学歴の持ち主ばかりだった。
当時26歳だった私は、「30歳までに再び独立する」と決め、会社に入った。
そこでも馬車馬のように働き、今度は顧客交渉等のビジネススキルを磨いていった。
一応、その会社での自分の将来についてシミュレーションしてみた。
この会社はキャリアプランがしっかり組まれており、
35〜40歳前後の、マネージャクラスの人間で年収1500万程度、
それより昇進して役員クラスになると報酬は億を超えると言われていた。
そこで私は考えた。
「このまま頑張れば、昇進し続けられるかもしれない。でも、時間がかかりすぎる。」
さすがに、独立して億単位で稼ぐイメージは沸かなかったが、1500万稼げるようになるためにあと5年以上もかかるのは我慢ができなかった。
そして、私は腹を決めることができた。
1度目の独立の時には、全てが中途半端な状態。
2度目の独立の時には、「自分の学歴で就職可能な範囲でも上位にある会社で(ほぼ上限)、精一杯やれた」という達成感があり、サラリーマンと決別することができた。
独立後の具体的なビジネスプランがあったわけではないけれど、その時は「サラリーマンで一生を終える方が損。どれだけ頑張っても、見返りは知れている」ということが「体感できた」おかげで、
独立以外の何ものも視野に入らなくなっていた。
そして今に至る。結果としては、独立後、年収は約3倍にアップし、それを4年間維持している。
もちろん、これからも一生、人様の会社にお世話になることはないと思うし、そうならない自信もある。
1度目の独立と、2度目の独立の違いは何か。
もちろん、年を経ることによるスキルや経験が違うのは当たり前だが、1番大きいのは「迷いがないこと」だと思う。
最後に勤めたアクセンチュアが、社員のキャリアモデルをしっかりと持っていたので、「この会社にいたら何歳にはこうなって〜、」という道がはっきり見えていたのである。
人が迷うということは、複数の選択肢を抱えている状態であるということ。
ならば、その選択肢を1つづ潰していけばいい。(可能であればの話であるが)
貴方が独立に踏み切れずに迷っているのであれば、1度サラリーマン人生の最後までをシミュレーションしてみては如何だろうか。