1つの判断が命取りになる件

9月 1, 2010

成功できる人、成功できない人のとっても重要な違い。
それは、「ビジネス的な判断力」ができるか、できないかだ。

先日、良い事例があったのであなたにも一緒に考えて頂きたい。
ビジネスパートナーのH氏が私に次のような相談を持ちかけてきた。

現在所属している会社(A社)を辞めることになった。
理由は、社長との意見の食い違い。
辞めた後、しばらくは個人事業主としてやっていくつもり。
自分が営業担当であったクライアントは、自分が引き継ぐことになった。

ところが、クライアントから400万のWEBサイト構築の仕事を請け負っていたのだが、
実際には10%程度しか終わっていない。
しかし、既にクライアントからA社には前受金として200万円が支払われている。
従って、自分がクラインとから受け取れるお金は200万円である。

自分と社長との間はかなりこじれており、社長に200万円をクライアントに返金して
欲しいとは言いにくいし、もしそれをしたとすると、A社は潰れてしまうかもしれない。
今まで自分がA社に関わっていたことでA社が赤字になっていたこともあり、
けんか別れとはいえ、社長に対して多少なりの責任感や義理は感じている。

それで、残りの90%をなんとか200万円やって欲しい。
このクライアントはそこそこの規模の会社なので、
これを切り抜けられれば今後安定的な仕事が見込める。

という内容だった。
さて、あなたはこの話をどう受け取っただろうか。

一見、このH氏の主張に同情したくなりそうだが、次のような点を見逃している。

・このような問題は、クライアントには全く関係ないことであり、
 クライアントには絶対に迷惑をかけてはいけない。
・本来、400万円の規模の仕事を、新たに別の業者が200万円で請けた場合、
 品質的なリスクが考えられる。それが最終的にはクライアントへ迷惑をかけることになる。
・相手に対し、赤字覚悟で本来の半額でお願いするからには、後々何らかの形での見返りを提示すべきだが、
 それが提示されていない。また、自分で借り入れでもして穴を埋める、といった覚悟が見られない。
・この案件で大きな問題が発生した場合、最悪はH氏がクライアントから訴えられる可能性があり、相手が相手だけに、リスクが大きい。

彼に対し、私は次のようにアドバイスした。

・社長との関係はどうあれ、まずは200万をクライアントに返却を要請。
 それができないなら、自分はクライアントの案件からは一切手を引き、
 後はA社に引き継ぐ。
 A社に残った人間で、この案件に対応できる者はいないので、
 A社が案件を引き継ぐのは非常にリスクが高く、
 社長しては究極の選択を迫られることになる。

この条件を提示すれば、社長はおそらく返却を飲まざるを得ないだろう。
その後、A社がどうなるか否かというのはまた別の問題。

H氏が社長に金銭的な義理があるというのであれば、とりあえず200万はクライアントに返金してもらって、
その場は収集をつけ、後で分割払いでもして返す方法もある。

こういった話をしたが、H氏には受け入れてもらえなかったようだ。

修羅場に陥ったとき、いかにビジネス的な判断ができるか。
私情とビジネス的な判断は分けて考える必要がある。

これは厳しいビジネス界で生き延びていくために非常に重要なスキルだ。

また、そもそもそのような状況に陥らないように、

事前に回避するためのスキルというものがある。

ちょとした判断が、後々大きく影響することがある。

H氏はこの思考を変えない限り、成功への道を歩むことは難しいだろう。

あなたもぜひ、考えてみて欲しい。

もし、成功へ近づくビジネス思考を身につけたいとお考えであれば、
メールマガジンに登録して、積極的に私と語り会って欲しい。

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