
GMO の不正アクセス。お名前.com デスクトップクラウドで何が起きたか、サーバーを使う人が今日確かめる3つのこと
この記事のポイント
- ✓GMO の「お名前.com デスクトップクラウド」への不正アクセスで
- ✓FX の口座から数百万円が消えました
- ✓サーバーを使う人が今日確かめる3つのことをまとめました
サーバー会社に預けていたパスワードが盗まれて、FX の口座から数百万円が消えた。 いま日本で、実際に起きていることです。
GMO インターネットグループの「お名前.com デスクトップクラウド」が不正アクセスを受け、10月24日、GMO は政府に「能動的サイバー防御」の発動を緊急で要請しました。
サーバーを22年運用してきた立場から、何が起きたのかと、サーバーを使っている人が今日やるべきことをまとめます。
動画でも解説しています。
お名前.com デスクトップクラウドとは
FX の自動売買のためのサーバーです。

データセンターの中にある Windows のパソコンを借りて、MT4 や MT5 という取引ソフトを入れ、24時間、自動で売買を回し続けるサービスです。
だから、サーバーの中には取引口座のログイン情報が入っていて、ソフトが口座にログインしたまま動いています。 これが普通の使い方です。
時系列
- 10月19日:利用者からの問い合わせで、GMO が調査を始める
- 10月20日:一部の利用者のサーバーに、第三者が不正なプログラムを仕込んでいたことが分かる
- 10月21日:朝4時、全プランのサーバー2万6,739台を順番に停止
- 10月21日以降:「身に覚えのない取引があった」という報告が、利用者から次々に上がる
- 10月24日:第4報で、顧客情報が外部に持ち出されたことを確認したと発表
報道では、2秒で400万円を失った方や、430万円の資金がほぼ底をついた方が出ています。 X にも、55万円、600万円といった損失の投稿が並んでいました。
10月24日の第4報

攻撃者とみられる者から金銭の要求があり、応じなければ、国内外70社以上の証券会社や FX 会社の口座で不正な操作を続けると脅されているそうです。
GMO の対応は次のとおりです。
- 要求には応じない
- 全利用者に、一律5,000円の見舞金を払う
- 不正取引で確定した損失は補償する
- 政府に、能動的サイバー防御の発動を緊急で要請する
能動的サイバー防御の、発動第1号
能動的サイバー防御は、10月1日に施行されたばかりの法律の仕組みです。 攻撃に使われているサーバーに、警察や自衛隊がアクセスして、攻撃を止めることができます。
GMO は、この事件を発動第1号の事案と位置づけ、国が主導して攻撃の基盤を追跡し、遮断し、無力化してほしいと要請しました。
パスワードを置いた場所が破られたら、全部取られる
ここからが本題です。
今回の事件が教えてくれるのは、パスワードを置いた場所が破られたら、全部取られるということです。
自動売買のサーバーの中では、取引ソフトが口座にログインしたまま動いています。 サーバーに入り込んだ攻撃者は、パスワードを解く必要すらありません。 ログイン済みの状態から、好きなだけ注文を出せてしまいます。
しかも、GMO の第3報によると、パスワードを変えても、取引会社側の仕様によっては古い接続が一定期間残り、第三者が取引を続けられる場合があるそうです。
パスワードを変えただけでは足りません。 すべてのセッションを切断する必要があります。
サーバーを使う人が、今日確かめる3つのこと
今回の利用者でなくても、VPS やクラウドのサーバーを使っている方は、次の3つを確かめてください。
1.サーバーの中に、ほかのサービスのパスワードを保存していないか
ブラウザの保存パスワード、FTP ソフトの設定、メールソフト、取引ツール。 サーバーが破られたら、これが全部読まれます。
2.お金が動く口座には、必ず二段階認証を入れる
パスワードが盗まれても、もう1つの鍵がなければ入れません。
3.サーバーへの入り口を絞る
リモートデスクトップや SSH を、全世界に開けたままにしない。 自分の IP アドレスだけに制限するか、VPN を通す。 そして、ログインの失敗が続いたら自動で遮断する。 私が運用しているサーバーでは、これを必ず入れています。
サービスを提供する側の方へ
GMO は今回、脅迫には応じない、損失は補償する、基盤は作り直す、と発覚から4日で発表しました。
お客様の信頼は、事故が起きるかどうかではなく、起きたあとに何をするかで決まります。
ご相談
ご自身のサーバーの設定が不安な方、会社のサーバーの管理に心配がある方は、ご相談ください。 ご自身のものでなくても、知り合いやクライアントのサーバーでも構いません。
https://lifescape.jp/php-support?utm_source=hirajo-blog&utm_medium=hirajo&utm_campaign=onamae-vps
内容は、2026年10月24日時点の公表情報と報道(GMO インターネットグループの第4報、お名前.com のお知らせ、ITmedia NEWS、共同通信、読売新聞、piyolog)に基づいています。




