会社や個人の公式サイトを構築するのであれば、現時点ではWordPress一択です。ただ、WordPressはマスターするのに一定のハードルがあるのがネック。そこで今回はWordPressで公式サイトを構築する際に考慮すべき点について解説します。
あなたはいざ公式サイトを立ち上げようと思いたち、いきなりWordPressの作り込みをしようとしていないでしょうか?
ゼロからビジネスを立ち上げる場合はもちろんのこと、既にビジネスをスタートしている場合であっても、多くの方がこれらの設計図が無いまま公式サイトの構築をしてしまっているので、その方の本来の良さを活かすことができておらず、勿体無い状況になっています。
あなたの公式サイトがあなたのビジネスの中核として機能するためには、事前に決めておくべき重要なステップがあります。それを以下に詳しく解説していきます。
稼げる公式サイト「城」構築の手順(戦術)
1)公式サイトの目的を決める
まずは、何のために公式サイトを構築するのかを明確にする必要があります。
考えられるものとして、
- 自分のブランディング
- コンテンツを体系的に見せる
- 自身の商品/サービスを販売する
- 有料/無料会員専用のコンテンツ提供の場
- 会社の理念を伝える
- B2Bのお問い合わせを獲得する
などが挙げられます。
ここが明確になっていないと、「単なる趣味サイト」で終わってしまい、収益化は難しいでしょう。
2)数値的な目標を決める
まずは目標設定をしないことには、公式サイトを構築したことの評価ができないし、構築した後に継続的な改善を行うこともできません。
目標設定の内容としてもただ漠然としたものではなく、「売上」・「お問い合わせ数」・「アクセス数」など、数値的に追跡できる目標を決めます。
3)キャッシュポイントを設計する
多くの場合、これが固まらないうちに発信活動をスタートしてしまっています。
発信活動をしながら見極めていくという手もありますが、設計の仕方を理解しておいたほうがより無駄がなく効果的なビジネスを構築することができます。
とはいえ、ここはやはり過去のビジネス経験がものを言う部分です。
4)ターゲットを設定する
あなた自身の商品・サービスを誰に伝えたいのかを明確にする。理想は「たった1人の理想のお客様」を決めること。性別、年齢、職業、婚姻、子供、居住地、収入レベルなどを決めていきます。
1人に絞れない場合は、過去にあなたの顧客となった方で、最も理想的だった方をピックアップし、その人の情報を入れると良いでしょう。
もしくは、「過去のあなた自身」をターゲットにすることです。
自分のことは自分が1番わかっているし、過去の自分宛のメッセージは、同じような境遇を持つ人に響きやすいから。
ここで、「ターゲットを絞ると対象となる見込み顧客が減るのではないだろうか?」とあなたは思うかもしれません。
しかし、地理的な制約が無くボーダレスなインターネットの世界を見渡すと、たった1人しかいないと想定して書いたプロファイルに合致する人を、かなり多く発見することができます。
あなたが過去の自分宛に書いたメッセージは、たった1人に書いたつもりでも、あなたと同じようなバックグラウンドや境遇にいる人は意外と多いもので、その人達には確実に「刺さる」メッセージとなります。
たった1人の人に向けてメッセージを発信することの重要さは、学校の授業に例えるとわかりやすいでしょう。
通常、先生は生徒全員に向けて講義をするので、1対多の関係となります。生徒は先生の目をかいくぐって漫画を読んだり、内職をしようとしたりします。
ところが、先生が生徒に指名して質問をすると、その生徒はとっさに全ての行動を止め、先生の言葉に集中します。それまで先生が「皆さん」と呼んでいたのが「●●さん」と個人名に変わった途端、緊張感が走るわけです。
これと同じようなもので、「たった1人に発信させられたメッセージ」というものは、該当する人も緊張感を持ってメッセージを受け取るものなのです。
さらに不思議なことに、絞られたメッセージというものは、ターゲットに該当しない人もなぜか気になってしまうものです。
良い例として、成績が学年最下位だった女子高生が1年で偏差値を40上げて慶応大学に合格した話、「ビリギャル」という書籍が2013年に出版され大ヒットして映画化もされて話題となりましたが、これは女子高生というよりはむしろ男性や社会人から多く読まれていると思います。
(正式名称は「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」。個別指導塾を経営されていた坪田信貴さんがstorys.jpというWebサイトにアップした記事がブレイクしたことがきっかけで書籍化、漫画化、映画化された。)
これは「ギャル」という一見勉強ができなさそうなイメージの女性が慶応大学という難関校に合格したという「ギャップ効果」があるのがヒットにつながった大きな要因だと思います。
また、2009年に出版された「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という小説、通称「もしドラ」も、大ヒットして漫画家、テレビアニメ化、映画化もされています。
(著者の岩崎夏海さんが自身のはてなダイアリーで2008年7月11日に書いた同名の記事を読んだダイヤモンド社の編集者が岩崎さんに企画を持ちかけて制作された。:Wikipediaより)
こちらも一見、高校野球の女子マネージャーとに絞っているかのように見えるけれど、逆に多くの経営者層に読まれていることでしょう。
私の経験からもこのことが言えます。2010年後半にスタートしたメールマガジン、「スーパーエンジニア養成講座」も、当初は過去のITエンジニアの自分自身に向けて書いたものでしたが、IT系でない方や主婦層の方にも読んでいただき、その後これが書籍化された後も、「ITエンジニアでなくても参考になる」と評価を頂いています。
ITエンジニアのための「人生戦略」の教科書 技術を武器に、充実した人生を送るための「ビジネス」と「マインドセット」(固定レイアウト版)
これが、ターゲットを絞ることの効果です。
ターゲットを絞れば絞るほど「刺さる効果」が生まれ、それがターゲットでない人にも刺さるようになるという、本当に興味深い現象です。
逆にターゲットを絞らないことによるデメリットについて、下記の記事に解説しているのでぜひ読んでみて下さい。
多くの人が間違いを犯している、ターゲットを絞らないことによる売上損失とは? – 平城寿のクラウドライフ
5)発信者名を決める
本名でやるのか、ビジネスネームでやるのか、発信する際の名前を決めておく必要があります。芸能人に芸名、書籍の著者、漫画の作家にペンネームがあるように、個人が情報発信をするうえで何も実名である必要性はありません。特にまだ会社員の場合は会社の目が気になるでしょうから、ビジネスネームを使うというのも一考です。
会社員であってもどうしても自分の名前を売りたいという場合
この場合、2とおりのアプローチがあります。
1つ目は、「会社員のうちはあえて有料サービスを提供せず、満を持して(多くのファンを獲得した状態で)会社を辞めて独立する」という方法。
もう1つは、「会社員のうちはビジネスネームを使い、有料サービスも提供し、独立してから実名に切り替える」という方法です。
前者の場合は会社に対しては堂々とできるというメリットがありますが、独立後に本当にビジネスを軌道に乗せることができるかどうかは不確定要素があります。
後者の場合は、会社が副業禁止をしていれば絶対に内緒にしておかなければならないし、万が一ビジネスネームの状態でブレイクしてしまい、ネット上の至る場所にあなたのビジネスネームが口コミされるような状況にでもなってしまった場合、独立後に今更本名に切り替えるというのも悩みどころとなってしまうので、それぞれ一長一短です。
ちなみに私の場合、情報発信をスタートしたのは独立起業後でしたが、@SOHOは会社員時代から起業していました。所属していた会社では明確な副業規定はなかったものの、やはり会社や同僚には内緒にしていました。そしてサイト上の運営者紹介には自分の名前は掲載せず、会社名と運営責任者名(自分以外の名前)を使っていました。
ちなみに、当時の@SOHOには主婦層の女性ユーザが多かったため、運営者も女性のほうが安心であろうということで、「高野久美」という名前を使っていました。
6)キーワードを選定する
公式サイト構築の目的の1つとして、「検索エンジンからの集客」があります。
自身がターゲットとする人のどんな課題を解決できるのかという点から逆算し、ターゲットの方が検索するキーワードを考えていくわけです。
例えば、アロマテラピストの育成をしている方の場合、「アロマ 仕事」、「アロマ 独立」、「アロマ 起業」といったキーワードが望ましいというような感じです。
💡キーワード選定に便利なサイト
ちなみにキーワードの選定時に使うWebサイトとしては下記のSEMRushがおすすめです。英語圏のサイトですが日本語についても調べることができます。
7)サイト名&ドメイン名を決定する
これは2通りの考え方があります。
- 自分を全面に出す場合
- 自分を全面に出さない場合
です。
自分を全面に出す場合は、ストレートに「●●の公式サイト」という形でも良いですが、できれば、「■■の専門家●●の公式サイト」という形で、自分の名前に何らかの冠をつける形のほうが望ましいでしょう。
自分を全面に出さない場合は、主宰するコミュニティーの名称や会社などの組織の名称を使う場合や、運営者が提唱するコンセプトや造語を使う場合もあります。
ドメイン名はサイト名と連動しておいたほうが良いので、個人を全面に出す場合は発信者名と連動したドメイン名を取得します。個人を全面に出さない場合はサイト名の英語表記を取得します。
ドメイン名の種類の決め方
ドメイン名の後ろの部分(TLDと呼ばれています)は、様々な種類がありどれを取れば良いか悩むところです。以下にそれぞれ説明をします。
.com
管理元は米国で、主に商用目的で使われていますが、インターネットが始まった時に最初に作られたドメインなので、幅広い目的で使われています。
.net・・・
ネットワーク(network)の略語から作られたもので、もともとはインターネット回線を提供する会社が使っていました。それからソーシャルメディアの登場によって、人のネットワークという意味でコミュニティー性の強いサービスの運営にも使われるようになりました。
.or.jp・・・
財団法人、社団法人、医療法人、監査法人、宗教法人、特定非営利活動法人、特殊法人など、利益追求型ではない法人が取得できます。
gr.jp・・・
法人格の有無を問わず、任意団体の公式サイト用として使われています。
.go.jp・・・
日本政府用なので一般人は取得できません。
.co.jp・・・
取得するためには日本の法人格が必要なので、会社の公式サイト向けです。
.jp・・・
こちらは法人格が無くても誰でも取得できます。目的を問わず、汎用的に使われています。
その他にも.info/.shopなど様々なドメインが存在しますが、よほど特殊な目的がない限り、通常は.com/.net/.jpのどれかから取得するのがオススメです。
コミュニティー色を打ち出したければ.netが良いでしょうし、日本国内に特化したい場合や短いドメイン名が好きな場合は.jp、どちらでもなければ.comという選択肢となります。
会社の公式サイトであっても、必ずしも.co.jpを取得しないといけないわけではありません。私の会社も、短いほうが良いのでlifescape.co.jpではなくlifescape.jpにしています。
以上が、実際に私が公式サイト構築を始める前にクライアントさんにコンサルティングをしている内容です。
最後に・・・
如何でしたか?これらを着実にこなしておくことによって、あなたの公式サイトがブレることなく最短でキャッシュポイントにつながるような形を作りあげることができるでしょう。
しかし、あなたはこの文章だけでは100%理解することが難しいかもしれない。そのために動画によるサポートコンテンツを提供しているので、以上についてのより詳しい説明を聞きたい場合は、ぜひ以下の動画を入手頂ければと思います。