
ChatGPT も Claude も 公式が教える頼み方 完全版|プロンプトの書き方 7つの型と、2社で逆の1か所
この記事のポイント
- ✓ChatGPT と Claude の公式ガイドが教える頼み方を
- ✓7つの型にまとめました
- ✓2社で逆になっている1か所
ChatGPT の答えがイマイチなとき、直すべきは AI ではなく、頼み方です。
実は、ChatGPT の OpenAI も、Claude の Anthropic も、頼み方の公式ガイドを出しています。 今回、その両方を頭から最後まで読みました。
2社に共通する型は、7つあります。 そして1か所だけ、2社で逆のことを言っている所があります。 ここを知らないと、長い資料を渡すたびに損をします。
この記事では、動画で話した7つの型に加えて、公式ガイドの原文、私が実際に入れた頼み方の全文、ChatGPT と Claude の答えをそのまま載せています。 コピーして、そのまま使えます。
動画でも解説しています。
答えがイマイチになる本当の理由
Claude の公式ガイドに、こう書いてあります。
「Claude を、優秀だがあなたの規範やワークフローに関するコンテキストを持たない新入社員だと考えてください。望むことをより正確に説明するほど、結果は良くなります。」

ChatGPT の公式ガイドも、AI を同僚にたとえています。 すぐ答えるタイプのモデルは「後輩の同僚」、じっくり考えるタイプのモデルは「先輩の同僚」です。
新人に「いい感じにやっといて」と頼んで、いい感じになったことはないはずです。 私も会社を22年やってきて、頼み方で仕事の質が決まるのを何度も見てきました。 AI も同じで、頼み方がそのまま答えになります。
この記事では、1つの例を通して説明します。 小さなパン屋が、インスタの投稿文を頼む場面です。
最初の頼み方は、これです。
「新商品の投稿文を書いて」
ここに、7つの型を1つずつ足していきます。
ChatGPT 公式の「4つの部品」
7つの型に入る前に、全体の地図を見ておきます。
ChatGPT の公式ガイドは、頼む文を4つの部品に分けています。 しかも、書く順番まで決まっています。
1. 役割(Identity):AI の目的、話し方、大きな目標 2. 指示(Instructions):どう答えてほしいか。守るルール、すること、してはいけないこと 3. 見本(Examples):入力と、ほしい答えの例 4. 追加の情報(Context):AI が知らない社内の情報や、答えに必要な資料

この記事の7つの型は、この4つの部品をさらに細かくしたものだと考えてください。 1つ目が「役割」、2つ目と3つ目が「追加の情報」と「指示」、4つ目が「見本」、5つ目から7つ目が、全体の組み立て方です。
1つ目 役割を伝える
「あなたは◯◯の担当です」と、最初に1文書きます。
Claude の公式は、役割について「たった1文でも違いが生まれます」と書いています。 ChatGPT の公式でも、4つの部品の最初は役割です。 AI が誰で、何のために、どんな話し方をするかを先に決めます。
パン屋の例なら、こうです。
「あなたは、小さなパン屋のインスタ担当です。」
これだけで、言葉の選び方が変わります。
2つ目 事情を渡す
誰に向けて、何に使うのか。 ChatGPT の公式は、答えに必要な追加の情報を入れるとよいと書いています。 AI が学んでいない社内の情報や、特に関係する資料のことです。
新人は、あなたのお客さんを知りません。 人なら1か月いれば分かることも、AI にとっては毎回が初日です。 だから、知っていることは全部渡します。
「お客さんは、近所の30代、40代。明日から、新しい塩パンを出します。その告知の投稿文を書いてください。」
ここまでで、答えの的が決まります。
3つ目 理由を添える
Claude の公式に、分かりやすい例が載っています。
効果が低い例:「NEVER use ellipses」(三点リーダーを絶対に使わないで) より効果的な例:「あなたの答えは読み上げソフトで読まれるので、三点リーダーは使わないで。読み上げソフトは三点リーダーの読み方が分からないから」

そして公式は、「Claude はその説明から一般化することができます」と続けています。 理由が分かると、AI は似た場面にも自分で応用します。 ルールだけを渡すと、ルールの穴で止まります。 理由を渡すと、その穴も埋めてくれます。
パン屋の例なら、こうです。
「スマホで流し見されるので、1行目で何の話か分かるようにしてください。」
4つ目 見本を見せる
Claude の公式は、見本を「出力形式、トーン、構造を誘導する最も信頼性の高い方法の1つ」と書いています。 数は3〜5個です。

見本には、条件が3つあります。
- 関連性がある:実際の使い方に近いこと
- 多様である:意図しない癖を拾わないよう、十分に変化をつけること
- 構造化されている:指示と区別できるよう、見本を印で囲むこと
ChatGPT の公式も、見本は「いろいろな入力と、ほしい答え」を並べるように書いています。 似た見本ばかりだと、AI は余計な癖まで真似します。
Claude の公式には、もう1つ便利な使い方が書いてあります。 見本が足りないときは、Claude 自身に見本の良し悪しを評価させたり、追加の見本を作らせたりできます。
パン屋の例なら、反応が良かった過去の投稿を3つ、種類を変えて渡します。 季節もの、新商品、お知らせの3つです。
5つ目 区切る
指示と、事情と、見本が1つの文に混ざっていると、AI はどこまでが指示なのか迷います。
ChatGPT の公式は、見出しや箇条書きで区切るように書いています。 資料のような中身の始まりと終わりは、タグで区切るとよい、とも書いています。
Claude の公式は、タグで囲むように書いています。 指示は instructions、事情は context、見本は example のように、中身ごとにタグを分けると誤解が減ります。 タグの名前は、全体で同じものを使い続けます。
パン屋の例では、見本3つを「<見本>」と「</見本>」で挟みました。 英語のタグでなくても、始まりと終わりが分かれば十分です。
6つ目 「しないで」より「こうして」
これも Claude の公式の例です。 「マークダウンを使わないで」ではなく、「滑らかに流れる文章の段落で書いて」と頼みます。 禁止を並べるより、ほしい形を伝えます。

ここに、もう1つ意外な話があります。 頼む文の書き方が、そのまま答えの書き方に移ります。 Claude の公式は、頼む文からマークダウンを削ると、答えのマークダウンも減らせると書いています。 箇条書きだらけで頼むと、答えも箇条書きだらけになりやすいのです。

Claude の公式には、もう1つ大事な一文があります。 期待以上のことをしてほしいなら、あいまいにせず、はっきり頼む。

公式の例は、ダッシュボードを作らせる場面です。 「分析ダッシュボードを作って」だけでなく、「関連する機能をできるだけ多く入れて。基本を超えて、機能の揃ったものにして」と書き足します。 言わなければ、AI は言われた分だけやります。
そして、順番が大事な仕事は、番号を付けた手順にします。 これも Claude の公式に書いてあります。
パン屋の例なら、「ハッシュタグは最後に5つ」です。
7つ目 相手によって頼み方を変える
ChatGPT の公式は、モデルの種類で頼み方を分けています。

- じっくり考えるタイプのモデルは「先輩の同僚」。目標だけ渡して、細かい所は任せたほうがよい
- すぐ答えるタイプのモデルは「後輩の同僚」。ほしい答えを作るための指示を、はっきり細かく書いたほうがよい
Claude の公式にも、相手の癖の話があります。 新しい Claude は、前より答えが簡潔で、別に頼まない限り、まとめを省くことがあります。 まとめがほしいなら、「最後にまとめて」と頼みます。 逆に Claude Opus 5 は、前のモデルより答えが長くなりやすいので、短くしてほしいなら、はっきりそう頼むように書かれています。
同じ頼み方を、どの相手にも使い回さないことです。
7つを入れた完成形(コピーして使えます)
7つを全部入れると、こうなります。 私が実際に ChatGPT と Claude に入れた全文です。
あなたは、小さなパン屋のインスタ担当です。 お客さんは、近所の30代、40代。 明日から、新しい塩パンを出します。その告知の投稿文を書いてください。 スマホで流し見されるので、1行目で何の話か分かるようにしてください。 ハッシュタグは最後に5つ。 下の見本3つと、同じ調子で書いてください。 <見本> <見本1 季節もの> 栗のデニッシュ、今年も始まりました🌰 朝7時の焼きたては、外がサクッと中がしっとり。 数に限りがあるので、お早めにどうぞ。 </見本1> <見本2 新商品> はじめまして、黒糖くるみパンです。 ごつごつのくるみと、やさしい黒糖の甘さ。 コーヒーにもほうじ茶にも合います。 </見本2> <見本3 お知らせ> 今週の水曜日はお休みをいただきます。 木曜日は朝7時から、いつもどおり開けています。 またお顔を見られるのを楽しみにしています。 </見本3> </見本>
見本を挟む印は、実際に入れたときは半角の記号(< と >)でした。note では半角だと消えてしまうため、ここでは全角で載せています。どちらでも使えます。
見本の3つは、この記事のために作った架空のパン屋のものです。 あなたのお店や仕事に合わせて、役割・お客さん・商品・見本を差し替えてください。
1行目から最後まで、だいぶ長いですよね。 でも、新人への引き継ぎなら、これくらいは書くはずです。
実際に ChatGPT と Claude で試した結果
11月2日の夕方、私の画面の ChatGPT と Claude に、一言の頼み方と完成形の両方を入れました。
- ChatGPT:一時チャット、思考の量は High
- Claude:シークレット、Opus 5.5
まず、一言で頼んだ場合です。
ChatGPT は、空欄だらけのひな形を返しました。 【商品名】【特徴・メリット①】【商品URL】と、中身は全部こちらで埋める前提です。 最後に「商品名・特徴・ターゲット層が分かれば、仕上げます」と添えてありました。

Claude は、書かずに聞き返してきました。 「どの商品の投稿文か分からないので、以下を教えてください」として、商品名と内容、投稿先、伝えたい強み、トーン、誘導先の5つです。

聞き返された5つは、そのまま「AI が知りたかった事情」の一覧です。 2つ目の型で渡すべき中身は、AI 自身が教えてくれます。
次に、7つを入れた完成形です。
ChatGPT の答えです。
新しい塩パン、明日から焼きはじめます🥐 外はカリッと、中はふんわり。 バターの香りと、ほどよい塩気があとを引きます。 朝ごはんにも、ちょっと小腹がすいたときにも。 ぜひ一度、お試しください。 #塩パン #新商品 #焼きたてパン #町のパン屋さん #パンのある暮らし

Claude の答えです。
明日から、新しい塩パンが仲間入りします🧂 バターがじゅわっと染みた底は、カリッと香ばしく。 ほどよい塩気で、何個でもいけちゃいます。 #塩パン #新商品 #パン屋さん #焼きたてパン #パンのある暮らし

どちらも1行目から塩パンの話で、見本と同じ短い調子、ハッシュタグは最後に5つ。 そのまま出せる文になりました。
違いもあります。 Claude は見本と同じ3行にそろえ、ChatGPT は少し長めに書いて、最後に「販売開始時刻を入れて来店を促す」「店舗名や場所を加えて来店しやすくする」と次の手を提案してきました。 どちらが良いかは用途次第ですが、一言で頼んだときとの差は、比べものになりません。
やりがちな失敗3つ
公式に照らすと、やりがちな失敗が3つあります。
1つ目、一言で頼む。 事情も理由もないので、AI は当てずっぽうになります。 上の試験で、ChatGPT が空欄だらけのひな形を返したのがこれです。
2つ目、禁止だけを並べる。 「〜しないで」を10個並べても、ほしい形は伝わりません。 穴だらけの答えが返ってきます。
3つ目、似た見本だけを渡す。 見本の言い回しまで、そっくりになります。
どれも、新人に同じことをしたら困ってしまう頼み方です。
2社で逆の1か所(長い資料の置き場所)
最初にお話しした、2社で逆のことを言っている所です。 それは、長い資料をどこに置くかです。
ChatGPT の公式は、追加の情報は頼む文の終わりのほうに置くのがよいと書いています。 理由は、頼むたびに違う資料を入れることがあるから、です。

Claude の公式は逆です。 2万トークン以上の長い資料は、質問や指示や見本よりも上、つまりいちばん上に置き、質問はいちばん下に置く。

しかも、質問を最後に置くと、特に複数の資料を渡すときに、答えの質が最大30%上がることがあると書いています。

Claude の公式は、長い資料についてあと2つ書いています。
- 資料が複数あるときは、1つずつタグで囲み、出どころ(ファイル名など)と中身を分けて書く
- 答えを出す前に、まず資料の関係する部分を引用させる。そうすると、資料の残りに気を取られにくくなる
ちなみに ChatGPT の公式にも、別の場面で「何度も使う中身は頼む文の先頭に置く」という話が出てきます。 こちらは答えの質ではなく、料金と速さのための話(プロンプトのキャッシュ)です。 API で使う人は、置き場所に2つの理由があることを覚えておくとよいです。
つまり、2社で同じ頼み方を使い回すと損をします。 相手の公式に合わせる。 それだけで、同じ資料から出てくる答えが変わります。
送る前の確かめ方(両方に効く)
最後に、両方に効く確かめ方を1つ。 Claude の公式にある「重要なテスト」です。
「タスクについての文脈をほとんど持たない同僚にプロンプトを見せ、それに従うよう頼んでみてください。その同僚が混乱するなら、Claude も混乱します。」

送る前に、新人の気持ちで読み直してみてください。 「これ、何のためですか?」と聞かれそうな所に、理由を書き足します。
ChatGPT の公式は、仕事で使う人に向けて、もう1つ書いています。 モデルが変わると、同じ頼み方でも結果が変わることがある。 だから、頼み方を保存しておき、モデルを替えたら同じ頼み方で試し直すように勧めています。
毎日40のセッションを回している私も、この型で答えが変わりました。 AI は優秀な新人です。 伸ばすのは、頼む側です。
まとめ
公式が教える7つの型
1. 役割を伝える(最初に1文) 2. 事情を渡す(誰に、何に使うか) 3. 理由を添える(ルールだけにしない) 4. 見本を見せる(3〜5個、種類を変えて、印で囲む) 5. 区切る(見出し、箇条書き、タグ) 6. 「しないで」より「こうして」(期待以上のことは、はっきり頼む) 7. 相手で頼み方を変える(先輩には目標、後輩には手順)
2社で逆の1か所
- ChatGPT:追加の情報は、頼む文の終わりのほう
- Claude:長い資料はいちばん上、質問はいちばん下(最大30%向上することがある)
出どころ
OpenAI 公式 Prompt engineering ガイド https://developers.openai.com/api/docs/guides/prompt-engineering
Claude 公式 プロンプティングのベストプラクティス https://platform.claude.com/docs/ja/build-with-claude/prompt-engineering/claude-prompting-best-practices
内容は2026年11月2日の時点の公式ガイドに基づきます。




