
Trelloを無料で使いたい!?だから自分で作ってしまった話
この記事のポイント
- ✓Trelloの課金が人数で一気に増えるのが嫌で
- ✓自分でカンバンボードPinatecaを作りました
- ✓Backlogの料金改定までまとめます
Trelloの代わりが欲しくて、自分でカンバンボードを作りました。 Pinateca(ピナテカ)という道具です。
今日は、なぜ作ったのか、どこにこだわったのか、実際にどう使われているのかを書きます。
なぜ自分で作ったのか
もともとはTrelloを使っていました。 ところが、一定の人数を超えると、一気に課金額が増えるのが嫌でした。 最近はNotionが流行っています。 「これ1つでいろんなことをしたい」人には、いいのかもしれません。 ただ、やはりカンバンボードは餅は餅屋で、専門の競合には一歩及ばない感じがします。 AsanaやMonday.comも試しましたが、本当の意味で使い勝手がしっくりくるものがありませんでした。
もう1つ理由があります。 私は、ほとんどの作業をAIエージェントでやっています。 そういう働き方にも合う、柔軟な仕組みを自分で作りたかった。
だから、自分で作りました。
私の会社は2004年から、クラウドソーシングの「@SOHO」を22年運営してきました。 フリーランスとクライアントが、日々プロジェクトを進める現場を見てきました。 Pinatecaには、そこで見てきたことを入れています。
自分が最初の顧客
私は、自分が使わない製品は作りません。 自分が使わないと、顧客が何を必要としているかが分からないからです。
Pinatecaは、まず社内の道具として、私たち自身のプロジェクトを何か月も回してきました。 いまは、私がコンサルをしているクライアントのチームにも使ってもらっています。 要望が来たら、基本的にその日のうちに対応しています。
一番のヘビーユーザーを味方につけるのがいい。 そのヘビーユーザーは、私自身です。
こだわり1:機能で料金を分けない
ほかの道具を使っていて一番困ったのは、ガントチャートでした。 使うのは月に3日ほどなのに、そのためにチーム全員を上のプランに上げなければなりません。
Pinatecaでは、機能でプランを分けていません。 ガントチャートも、チャットも、カスタムフィールドも、無料プランから全部使えます。 料金が変わるのは、チームの人数とボードの数が増えたときだけです。
こだわり2:8種類のボードを、最初から全部
仕事の形は1つではありません。 同じプロジェクトでも、進み具合を追う日もあれば、締め切りを並べる日も、誰の手が空いているかを見る日もあります。
Pinatecaでは、ボードを作るときに形を選べます。
- カンバン
- ガントチャート
- カレンダー
- リスト
- グリッド(2つの軸を自分で決めて、カードを自由に配置する)
- 時間割(曜日と時限のマス目)
- ディスカッション(質問と決めたことをスレッドで残す)
- リソース(人ごとの負荷を見る)
このうち、グリッド・時間割・リソースの3つは、ほかの主要なプロジェクト管理の道具にはない形です。
こだわり3:説明書の要らない画面
私は、故スティーブ・ジョブズを尊敬しています。 使い方の説明が要るのは、画面の作りが悪いからだ、という考えに共感しています。
カードをつかんで動かすときの感触は、使い慣れた人が多いTrelloの実機の動きを測って、同じになるように合わせました。 Trelloから移ってきた人が、迷わず使えるようにするためです。
こだわり4:値上げしなくて済む値段
後発なので、競合より安くするのは当然です。 競合より少し値段を下げて、機能をより良くすれば、顧客はこちらを選んでくれます。 私は、それで22年間生き残ってきました。
値上げは簡単です。 ただ、企業努力が足りない分のしわ寄せを、顧客に押しつけることだと私は考えています。 これまで値上げをしたことはありません。
こだわり5:画面でできることは、AIからもできる
Pinatecaは、ChatGPTやClaudeからログインするだけでつながり、カードを読んだり、作ったり、動かしたりできます。 画面でできることは、全部 API と AI からもできるようにしました。 AIから使える操作は181種類、API は190種類あります(2026年10月時点)。
ただし、AIができるのは、許可を押した本人ができることまでです。 お支払い、API トークンの発行、独自ドメインの設定は、AIからは行えません。
私自身のカンバンボードは、今ではClaude Codeから100%管理できています。
カンバン1枚で、説明会のフォローを回しているクライアント
いちばん印象に残っている使い方を紹介します。
私のクライアントの1社は、Zoomでオンライン説明会を開いています。 参加者を1人ずつカードにして、説明会のあとのフォローアップに合わせてボードの上で動かしていきます。 誰も取りこぼさないので、フォローが抜けません。
このフォローアップをしっかりやっていることが、月1,000万円以上の売上を保っている大きな理由です。 こういう道具は、しっかり使えば、ちょっと凝ったToDoリスト以上の効果があります。
「決めたこと」を残すボード
先日、noteで「AI時代の開発では、作業の管理より、意思決定の管理が大事になる」という記事を読みました。 判断したいこと、選択肢、判断者、期限、決定の理由を残していこう、という内容です。
(参考)Backlogの値上げから考える、AI時代の開発の「タスク管理」ってどうあるべき? https://note.com/howmanydesigns/n/nee7672c9eee6
Pinatecaのディスカッションボードは、まさにそのためのボードです。 カードを動かして進み具合を見るのではなく、1枚1枚が話し合いの場になります。 質問と、決まったことがスレッドとして並び、決定が記録として残ります。
スマホとMacでも
使い勝手が大事なので、スマホアプリはきちんとネイティブで作りました。 Webでできることは、iPhoneとAndroidのアプリからもすべてできるようにしています(お支払いだけは除きます)。
iPhone版とAndroid版は、いまストアに提出中です。 Mac版も用意しています。 Mac版は、iPhoneの画面をそのまま広げるのではなく、Webと同じ配置にして、大きな画面を活かせるようにしています。
料金
- フリー:5人まで、ボード10個まで。期限なしで無料。8種類のボードとチャットを含め、機能はすべて使えます
- スタンダード:1人あたり月額500円(年払いなら月額400円)。6人目、あるいは11個目のボードから。人数とボードの上限がなくなります
- ビジネス:1人あたり月額1,980円(年払いなら月額1,580円)。会議の録画をカードに載せて、話した内容から探せます
金額はすべて税抜です。 閲覧だけのゲストは、人数に数えません。 クレジットカードの登録なしで始められます。 Trelloからは、ボードやカード、添付ファイルをまとめて取り込めます。Trelloからの移行にかぎり、10個を超えるボードもそのまま取り込めます。
Backlogの料金改定を見て
Backlogは、2027年1月1日から料金体系を改定すると発表しています。 新しいプランはエコノミー・ビジネス・プロフェッショナルの3つで、ビジネスプランは月額36,300円(税抜、月払い)です。 いまスタンダードプランを16人以上、または31プロジェクト以上で使っている場合は、自動では切り替わらず、ビジネスかプロフェッショナルへの変更が必要になります。 無料のフリープランも、ユーザーの上限が10人から5人に下がります。
(出典)【重要】2027年1月1日からBacklogのプランが新しくなります https://backlog.com/ja/blog/new-plans-2027/
乗り換えを考えている方の選択肢の1つとして、Pinatecaも試してみていただけたらうれしいです。
よくある質問
Q. Trelloからデータを移せますか
ボード、カード、添付ファイルをまとめて取り込めます。 Trelloからの移行にかぎり、無料プランのボード10個を超えていても、そのまま取り込めます。
Q. 無料でどこまで使えますか
5人まで、ボード10個までなら、期限なしで無料です。 8種類のボードとチャットを含め、機能はすべて使えます。
Q. スマホでも使えますか
iPhone版とAndroid版は、いまストアに提出中です。 Webでできることは、アプリからもすべてできるようにしています。




