男の第二次就職活動(肉体労働篇)

最終更新日時 2021/02/22 19:02

男の初めての就職は、
わずか1週間で幕を閉じることになった。

学生時代から続けていた 家庭教師のアルバイトは
時給3,000円〜4,000円と 割が良かったけれど、
長くできるものではないと思っていたので、
それ以上増やすことはしなかった。

生活費を捻出するため、
繋ぎのアルバイトを探すことにした。

レストランの接客や厨房は
時間の切り売りに過ぎず、
どうしても将来につながるとは思えない。

ちょうど福岡で大雨による水害があり、
被害にあった倉庫の清掃のアルバイトがあった。

肉体労働だけど、
日給9,000円なので悪くはない。

応募をして行ってみると、
そこまで重い作業ではなく、
簡単な片付け程度の作業で、
しかも予定よりも早く終わってしまった。

 
これはなかなかいいぞ。

 

このアルバイトは継続したいと思ったが、
片付けは終わってしまったので、
もう仕事は無くなってしまった。

次に思いあたったのが、
引越しのアルバイトだった。

愛読していた「青年社長」。

居酒屋の『ワタミグループ』の創業者、
渡邉美樹さんの起業秘話を描いたものだった。

渡邉さんは有限会社の
資本金300万円を貯めるため、
有名大学を卒業したにもかかわらず、
佐川急便のセールスドライバーを1年半続け、
300万円の資金を使ったという。

佐川急便のセールスドライバーといえば、
当時かなりの激務だったが、
若くても手取りで月給40万円にはなったという。

効率良く起業資金を貯めるために、
大変だけれど最も効率の良い手段を
選択したわけだ。

そのストーリーが頭にあったため、
アルバイト雑誌を見ていると、
『引越しのサカイ』の求人情報が目についた。

こちらはなんと、日給1万2千円にもなる。
1ヶ月休まずに働けば、
36万円にもなるではないか!

 
大変そうだけど、チャレンジしてみるか・・・。

ということで、やってみることにした。

朝一番で現場の倉庫に到着すると、
既に沢山の作業員達が屯(たむろ)していた。

目の前にパンダマークの作業着の山が
積み上がっている。
これに着替えろということらしい。

早速着替えると、グループ決めが始まった。
男は鬼軍曹のような中年の社員のチームに
配属された。

チームメンバーは鬼軍曹、
社員Aさん、男の3人チーム。
鬼軍曹が運転する車に乗せられ、
現場へと急行した。

1件目はマンションの11階。
現場に到着してみると、
部屋の中はまだ殆ど片付いていない状況。

一つ一つ片付けながら、急いで荷物を運び出す。
と、急いでいるつもりだったが、
鬼軍曹から怒号があびせられる。

 

おいバイト!走らんかッ!

 

 

(えっ、これでも急いでいるつもりだけど。。)

高校のバレー部時代のダッシュを思い出してしまった。

確かに、ダッシュをすれば数秒は縮まるかもしれない。
でも、そこまでする必要があるのだろうか??
しかも、僕は社員じゃなくアルバイトだし、
少しは優しく扱ってくれても・・・。

一軒目の荷物の積み込みが終わったら、
もう13時を回っていた。

昼食を買うためにトラックはコンビニに停まった。
男は鬼軍曹と同じように、
オニギリを3個とお茶を買った。

車に戻った途端、度肝を抜かれてしまった。

鬼軍曹は左手でハンドルを握りながら、
信号待ちのタイミングで
右手でオニギリを凄いスピードでねじ込んでいく。

小学校時代の早食い競争を彷彿とさせる勢いだ。

そして次の現場に到着するまでに、
鬼軍曹はオニギリ3個をしっかりと
たいらげてしまった。

男も急いでオニギリを口に含んでしまい、
目が飛び出るような思いだった。

次の現場では、 男は猛ダッシュで動き回った。

社員Aさんから、

 
アルバイトなのにこんな
思いをさせてしまったごめんね。

 

とねぎらいの言葉をもらったほどだった。

鬼軍曹からはもう激は飛ばなくなった。

2軒目が終わったのは19時を回ったところだった。

 

(ふぅ、ようやく終わる・・・。)

と思いきや、鬼軍曹が携帯で何やら話をしている。

電話を切ったとたん、

 

鬼軍曹: 『次、行くぞ!』

 

 

えっ?今から?

男は耳を疑ってしまった。

もともとの求人情報には、
8時〜18時の 10時間労働となっていたはずなのに、
予定を1時間過ぎただけでなく、
まだ終わらないとは、
どういうつもりなんだろう。。。

どうも他のチームの作業が遅れていて、
そこへのヘルプに行くという話になったようだ。

でも社員Aさんはさほど驚いていな様子だった。

ということは、
こういうことは日常茶飯事に違いない。

男は鬼軍曹が怖すぎて、
とてもここで帰らせて欲しいとは
言えなかった。

結局、全ての作業が終わって
解放されたのは、21時過ぎだった。

男は倉庫に戻り、給料袋を受け取った。

中学、高校と体育会系のスポーツ部で
鍛えてはいたけれど、
慣れない作業にはかなり体がこたえた。

疲労感はハンパではなかった。

ワタミの渡邉さんは、
小学校5年生の時に
お父さんの会社が倒産してしまい、
つらい経験をしたために、

 

『絶対に社長になる!』

と決心したそうだ。

だからこそ、学歴を捨ててまで、
ハードな肉体労働にも耐え抜くことができた、
ということなのだろう。

男には、そこまでつらい経験は、
まだ無かった。

 

僕は渡邉さんのようには、なれないな・・・。

男は引越しのアルバイトを1日で辞めてしまった。

現時点でのITの割合:0%
男の全財産:10万円弱
男の借金:90万円(5年間のビジネスローン)

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