我々は普段、ビジネスにおいてたいてい、同世代かせいぜい±5歳ぐらいの年齢幅を意識すると思う。
ところが、実は今、そういうわけにもいかなくなっていて、ことネットビジネスにおいては大学生以上の人達をライバルとして視野に入れて活動しなければならなくなっている。
その理由は・・・
はじめに
男は最近、twitterでたまたまある大学生のアカウントを発見した。興味を持ったので彼の公式サイト(WordPress)を見てみると、なんと普段男がコンサルをしているようなことが高いレベルで実現できており、既に公式サイトのアクセス数も月間16万PVというではないか。
これには驚いた。彼は誰に教わってここまで実現することができたのだろうか、と。
その理由について、以下のWikipediaの情報を見て理解することができた。
ーー以下、Wikipediaよりーー
情報社会心理学を専門とする橋元良明氏らによると、日本におけるデジタルネイティブを、
- 1976年前後生まれのIT起業家たちの世代(76世代)
- 1986年前後生まれの世代(86世代)
- 1996年前後生まれの世代(96世代)
に区分し、各世代は大きく異なる特徴を持っていると主張する。
世代別の特徴
1976年前後生まれのIT起業家たちの世代(76世代)
パソコンによるインターネット利用が中心で、携帯電話を補完的に利用している世代であり、インターネット黎明期に積極的に関わった。
76世代の有名起業家
- 笠原健治さん(Mixi創業者)
- 田中良明さん(GREE創業者)
- 近藤淳也さん(はてな創業者)
- 西村博之さん(2チャンネル創設者)
- ジャック・ドーシー(twitter創業者)
1986年前後生まれの世代(86世代)
携帯電話によるインターネット利用が中心の世代である。
86世代の有名起業家
- 村上太一さん(リブセンス創業者)※@SOHOのお得意様でもある
- イイケダハヤトさん(ブロガー)
1996年前後生まれの世代(96世代)
日本の先進的なモバイルブロードバンド環境を背景に、様々な携帯通信機器を利用して動画コンテンツを視聴するとともに、クラウド環境での集合知(衆合知)を活用する世代であり、「ネオ・デジタルネイティブ」とも呼ばれる。
物心ついた頃から学生時代にかけて携帯電話やホームページ、インターネットによる検索サービスに触れてきた世代を「デジタル・ネイティブ第1世代」、ブログ、SNS、動画共有サイトのようなソーシャル・メディアやクラウドコンピューティングを使いこなし青年期を過ごした世代を「デジタル・ネイティブ第2世代」と分類する意見もある。
ーー以上、Wikipediaよりーー
この後半の記述を見てほしい。
「動画コンテンツを視聴するとともに、クラウド環境での集合知(衆合知)を活用する世代」
がポイントだ。
あなたがもし男と同じアラフォー世代であれば、子供の頃、説明書をあまり見なくても電化製品の操作方法を覚えることができたのではないだろうか?
あなたがもしアラフィフ以上の世代であれば、説明書が無いと、もしくは使い方をイチから教えてもらわないと、電化製品が触れないのではないだろうか?
男が今、「ネオ・デジタルネイティブ世代」に驚異を感じているのは、彼らはSNSの使い方を説明書無しに理解できるだけでなく、「フォロワーの増やし方」「SNSの同士の連携方法」
といったことも、素で理解しているのではないか?と思う節がある点だ。
その疑問は、このWikiPediaの記述を読んで、ようやく納得できた。
「動画コンテンツを視聴するとともに、クラウド環境での集合知(衆合知)を活用する世代」
とは、例えば写真や動画でコミュニケーションするSnapChatやTikTokを好んで使っている点、大人から教わらなくても、自分でネット検索したりYouTube動画を見たりして何でも調べて問題解決できる点、といったことを見事に表現している。
大人たちが講座や塾で寺子屋形式で足並み揃えて学習している間に、彼らは瞬足でネット検索し、友達と情報共有しながら、どんどん課題を解決していっているのだ。感覚的には、自分と友達の「脳」がオンラインで繋がっていて、常に会話ができる状態。まずは友達に聞いてみて、友達も知らなければネット検索。
もしくは、その逆パターン。
このようにして、「ネオ・デジタルネイティブ世代」は自分が持っていない情報をフル活用しながら日々の生活を送っている。
彼らの資産は現金よりも友人とのネットワークや自分のSNSのフォロワーやSNSアカウントそのもの。
それらが最終的にお金に変わる、ということを肌で理解しているのだ。
そして彼らには無尽蔵に時間がある。
大人達がブログに1日1記事をやっとアップしている間に、彼らはブログに数記事、YouTubeに動画1件、Twitterでは1日平均20ツィートと、とても太刀打ちできないようなボリューム感でアウトプットしている。
まるでSNSが体の1機能として搭載されているのか、もしくは脳の中にSNSがインストールされているかのようだ。
つまり、「ネオ・デジタルネイティブ世代」とは、「SNSネイティブ世代」「クラウドネイティブ世代」とも言い換えられる。
ネットビジネスでは大人が若者達に勝てない理由
男が若者達のSNSを見ていて、もう1つ気づいたことがある。
ある20歳の現役大学生は、自分が受験勉強をしていた頃、偏差値を40台から70台に上げることができたので、その方法をYouTube動画で語ったところ、なんと60万回以上の再生数を獲得。
ある20代の青年は、自分の転職経験をシェアし、多くのフォロワーを獲得している。
2人に共通している点は、まだ『大成功者』として社会で認知されているわけではないにもかかわらず、沢山のフォロワーを獲得することができている、ということだ。
その理由について考察してみたところ、次のような結論に達した。
その根本的な理由は、「シェアの速さ」にある、ということだ。
彼らは、自分の日々の経験から、小さな成功体験、失敗体験を、どんどんSNS上にアップしている。
同世代の層からしてみれば、身近な存在でありながら自分よりも1歩〜3歩ほど先を行く彼らが情報をシェアしてくれることにより、「自分も頑張れば追いつけるかも?」という期待感がある。
また、今日や昨日起こったばかりの出来事なので、同じことをすれば再現できる可能性が高い、つまり再現性が高い、ということだ。
一方で、既に世の中で認知されている『大成功者』達は、一昼夜でその領域に達することができたわけではなく、何年も何年も地道な努力を続けた結果、今の成果を得ることができている。
すると、大成功者が今日起きたことをシェアしてくれても、まだゼロイチの段階の人たちからしてみれば、雲の上の話なのでまだピンと来ないし、大成功者がゼロイチの時の話をしても、もう10年、20年も前の出来事なので、同じことをしてもかなり再現性が低い。
つまり、考え方やマインドセットは参考になっても、ノウハウとしては参考にできない、ということだ。
例えば、ソフトバンクの孫正義さんが「ビジョンファンドが真っ赤っ赤です。原因は●●でした。」という情報をシェアしてくれても、一般人には「へぇ〜」というだけで自分のビジネスに即反映できるわけではない。
逆に孫さんが駆け出しの頃、渡米してインベーダーゲーム機の販売を手掛けた話を聞いても、全く再現性が無い。
とこういうことなのだ。
もう1つ、大人達が若者達に勝てない理由がある。
それは、「可処分時間の差」だ。
人生の中で、自分が自由に使える時間が最も多く持てる時期は、プータローを除くと、大学生か老後になる。社会人になると昼間は会社に時間を取られるし、職場ではかなりのプレッシャーがあるので、クタクタになって帰宅した後、副業に割くことができる時間はそうあるものではない。
資本や規模の大きさが有利となるオフラインのビジネスとは違い、少資本からスタートできるネットビジネスの場合、最も重要な経営資源は、経営者の「時間」だ。
特に自分のアイディアを具現化するスタートアップの段階では、いかに経営者が自分の業務に注力できるかにかかっている。
すると、
- 生活費はある程度親が出してくれる
- 大学の講義もそこまで忙しくない(特に文系)
- お金を稼ぐことへの制約も特に無い
という条件が揃っているのが大学生なのだ。
60代以降のリタイヤ世代はそもそもデジタルネイティブではないのでITに疎いし、どうしても未来へ向けてのアイディアも乏しくなってしまう。
つまり、ネットビジネスを行うのに最も有利なのは大学生なのだ。
その他の世代も含めてランキングしてみると、
ではないか思う。
かくいう男も、ショッピングカートのレンタルシステムを開発したり@SOHOを開発したりできたのは③の独身時代のことであり、会社に通いながらも土日はフルに自分のために使うことができた。
そして独身サラリーマン時代に土台を作って独立起業した後に結婚したので、うまく軌道に乗せることができたのではないかとも思う。男が結婚したのは29歳の時だが、もし20代前半で結婚していたら子育てやら何やらで副業なんてできなかったかもしれない。
あるネオ・デジタルネイティブ世代の若者は毎日、
- ブログ記事1本(3,000文字前後)
- YouTube動画1本
- twitter投稿30回
をこなしている。
彼はまだ独身なので24時間を自分のためにフルに使えるからこそこれが実現できるとも言える。妻子持ちの既婚者であればまず同じような時間の使い方はできない。
うまく人を使って外注化すれば実現可能かもしれないが、それができるのは既にある程度資金に余裕がある人だけだ。
まだ土台ができておらずこれからという方は、結局のところ副業に時間を割くことすらままならず、永遠にサラリーマン生活から抜け出せない、ということになってしまいがちだ。
それでは、男と同じアラフォー世代以降の人達は、どのようにして戦っていけば良いのだろうか?
ネオ・デジタルネイティブ世代から学び、共存すること
これはやはり、「ネオ・デジタルネイティブ世代から学び、共存すること」だと思う。
意識して若い世代の動向を把握し、彼らと接点を持ち、彼らの能力を認め、そして交流を図ることだ。
我々が唯一勝っているのは、「過去の歴史を肌で体感している」ということだ。バブル崩壊、ITバブル崩壊、ライブドアショック、リーマンショックといった経済的な事件の渦中を体験しているので、歴史から学びやすいという点はある。
例えば検索エンジンの歴史を辿ってみても、ネオ・デジタルネイティブ世代が物心ついた時には既にGoogleが検索エンジン業界でNo.1の地位を確立していたので、ヤフーとの小競り合いも含めた検索エンジンの発展の歴史を語ることはできない。
但し、ITのオペレーション能力と環境への適応能力は圧倒的に彼らのほうが上なので、そこは彼らから徹底的に学ぶことだ。
つまり、SNSの使い方は若い世代から学ぶ必要がある。
そしてそれを吸収することができれば、アラフォー以上の世代にも明るい未来が待ち受けている。
英語にしてもゲームにしても大人よりも子供のほうが吸収が早いので、それと同じような感覚で捉えれば良いのだ。
そう考えてみると、ワクワクしてこないだろうか?
男がネオ・デジタルネイティブ世代を研究し、解析済の新世代のSNS活用法は、以下のコンテンツで解説している。
②中高生
③社会人(独身)
④社会人(既婚子供なし)
⑤社会人(既婚子供あり)