お金とは何か?お金の本質を言語化してみた

10月 3, 2021

最近、クレジットカードやオンライン決済しか使わず現金を殆ど見なくなってしまったので、お金について考える事も少なくなってきましたが、お金についてのマインドブロックを持っている方やお金をどうやって得たらいいかわからないという方が多いのであらためて言語化してみます。

お金と欲求はセットである

あなたがお金を欲しいと思った時、ただ単に『願う』だけではダメです。『お金』と『欲求』は必ずセットで考える必要があります。

簡単に言うと、年収1千万欲しい人と年収1億円欲しい人とでは圧倒的に後者の人のほうが、『欲求が強い』ということです。

欲求というとちょっといやらしい感じがするかもしれませんが、欲求の定義は『マズローの欲求5段階説』にもあるとおり、様々なものがあります。

マズローの5段階欲求説とは?

マズローの欲求5段階説

アメリカの心理学者、アブラハム・ハロルド・マズローが定義した「欲求5段階説」によると、人間の欲求は下記の5段階に分かれており、1段階目から順番にステップアップするものだと解説されています。

1段階目:生理的欲求
生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、寝たいなど)

2段階目:安全欲求
危機を回避したい、安全・安心な暮らしがしたい(雨風をしのぐ家・健康など)

3段階目:社会的欲求
集団に属したい、仲間が欲しい

4段階目:尊厳欲求
他者から認められたい、尊敬されたい

5段階目:自己実現欲求
自分の能力を引き出し創造的活動がしたい

このうち、「異性にモテたい」という気持ちは1段階目の『生理的欲求』で、「良い暮らしがしたい」という気持ちは2段階目の『安全欲求』に該当します。

『お金と欲求はセットである』と書きましたが、お金というものはお金そのものに価値があるのではありません。『お金は物やサービスと交換できる、世界で最も普及している尺度である』というだけのことです。

なので『お金が欲しい』と思った時には、「そのお金で何を実現するのか?」という欲求がセットでないと、お金を得るためのパワーが出にくい、ということなんです。

年収1千万円、年収1億円、目標値は人それぞれですが、大事なことは自分が手にしたい金額を考える前に、「そのお金で何をしたいのか?」という目的を明確にすることです。

目的が明確になれば、自然と手段も頭に思い浮かぶようになり、そこに向かうモチベーションも湧いてきます。

とりあえず、『妄想』からはじめて、それを具体的に落とし込んでいけばいいのです。

お金とは何か?

以上からお金が果たしてくれる役割を考えてみると、実は家電量販店などの『ポイント』や飛行機の『マイル』などと同じようなものだということがわかります。

ポイントを貯めることは嬉しいですが、それは将来的にそのポイントを何らかの商品やサービスに交換する前提だからであり、マイルが貯まるのも嬉しいですが、それは将来的にそのマイルを使って航空券を割安に購入したりアップグレードしたり、そいう楽しみがあるからです。

ポイントもマイルも、それそのものには全く価値があるわけではなく、『商品やサービスと交換できる権利』に価値があるわけです。

お金についても同じことが言えます。これらが果たしてくれる共通の仕組みに着目すると、『価値交換のためのツール』と定義することもできます。

お金がポイントやマイルと違うところは、何にでも交換できる、オールマイティーなところです。
(ただし、「人の心」など、交換できないものもありますが。。)

次に、ポイントやマイルには『貯める』『使う』の2つの行為があります。

私達がポイントやマイルを貯める時には、近い将来にそれを『使う』という前提で貯めています。

その理由は、ポイントやマイルにはたいてい有効期限があることや、運営会社が破綻したら使えなくなるリスクがあるために、潜在意識に『使わなきゃ損!』という刷り込みがあるからではないかと思います。

一方、お金には今のところ有効期限は無いですし、一国が破綻しない限りは、貨幣経済が続く限り、永遠に使えるものだという感覚があるため、『使わなきゃ損!』という発想になりにくいと思います。

また、お金には

  • 自分のために使う(消費)
  • 家族のために使う(相続)
  • 公共のために使う(寄付)

など、本当に様々な使い道があります。

有効期限が無く、使い道が多岐に渡るからこそ、『何に使うのか?』を考える機会や時間がそこなわれてしまっているように思います。

銀行に預けたり他の資産に交換しておけば、いざという時に使う『保険』として使えるというメリットがありますからね。

そのため私たちは『お金を稼ぐ』という部分にフォーカスしすぎてしまい、どのような目的に幾ら使うのか、というところはあまり考えていないように思います。

お金の問題その1:
多くの人が、稼ぐ方法はいろいろ思い悩むが、
稼いだ後のお金の『使い方』についてはあまり掘り下げて考えられていない。

お金を稼ぐモチベーションがわかない本当の理由とは?

ここで、お金を稼ぐということについて考えてみます。

よほど奇特な方でない限り、誰もが『今よりもお金がもっと欲しい』と考えていると思いますが、いざお金を得るための行動をとろうとすると、『モチベーション』という壁に突き当たります。

世の中の人が全員、モチベーションを無尽蔵に持っていれば、お金を稼ぐための行動をひたすら継続することができ、お金にも困らなくなるでしょう。

ところが私達人間は、お金を稼ぐための行為をする時に『やり甲斐』というものを考えてしまいます。

  • その行為によって得られるお金
  • それを行うための労力

を天秤にかけて、

(お金)>(労力)

と判断ができればモチベーションがわき、そうでなければモチベーションがわかない、ということなのだろうと思います。

また、お金が得られるかどうかは抜きにして、趣味のように『その行為そのものが好き』という場合や、社会活動のようにその行為にお金以外の価値を見出している場合は、

(お金)<(労力)

であってもやれるものです。

もう1つの問題は、

『自分がやりたいこととお金がもらえることは、必ずしも(ほとんどの場合)一致しない』

ということです。

多くの方は、もともと好きでなないことでお金を得ているため、『モチベーション問題』が出て来るのです。

もちろん、誰もが好きなことだけをやっていたら世の中が成り立つはずなく、3K(きつい、汚い、危険)に代表されるような誰もが嫌がる仕事を誰かがやらないといけません。

その場合はやはり、

(お金)<(労力)

となってしまい、お金を稼ぐことに対してとても『壁』を感じてしまうのです。

それはお金を稼ぐことが嫌なのではなく、お金を稼ぐためにやらないといけないことが嫌なのです。

お金の問題その2:
多くの人が、自分が費やす労力に対して、得られるお金が少ないと思っている。

「やりたいこと」を仕事にできていない人がやる気を出す方法とは?

『これこそ、自分の天職だ!』と思える仕事に出会えている人は、もはやお金の問題は解決しています。

とりあえず好きなことで生活ができるのですから、『労力』という言葉があてはまらなくなり、

1)好きなことをする

2)お金が入る

3)さらに好きなことをする

4)さらにお金が入る

という、プラスのスパイラルに突入しているからです。自分の行動に歯止めをかけるものが殆ど無くなるのです。

一方、今現在『これは自分の天職だ!』と思える仕事に出会えていない方は、どうしても

(お金)<(労力)

と感じてしまうため、行動が重くなりがちです。

ここを打開するためには、お金以外の目標を見出す必要があります。

つまり、その労力で得たお金の使い道を考える、ということです。

お金を稼ぐことをゴールにするのではなく、そこからさらに先の、使い道までしっかりと落とし込むのです。

お金を使って何かを買ったり、誰かのサービスを受けることは、気持ちが良いものです。

だから自分が提供した労力を最終的に何に変換するのか、イメージすれば良いのです。

 

実際には、

①労力 ⇒ ②お金 ⇒ ③自分が欲しいモノやサービス

という形で手に入るのですが、①から②の部分だけしか考えていないと、モチベーションがわかない(場合が多い)のです。

これを常に③まで落とし込んで考えてみる。

むしろ、本来はお金は『価値交換のツール』にすぎないのだから、お金を意識することなく、

①から③までをストレートに考えられるようになれば、お金にとらわれなくなりますし、モチベーションがわかないということも無くなると思います。

『夢手帳』のようなものが効果を発揮する理由は、実は①から③までストレートに考えることの手助けとなっているからだ、と考えることができます。

如何でしょうか?

<追伸>

私の場合、③の「自分が欲しいモノやサービス」は何だったかというと、高級ブランドや高級車ではなく、独立起業したばかりの頃に出会った妻との生活でした。
自分のためだけでなく、愛する人を幸せにしたい、という気持ちが稼ぐモチベーションになっていたと思います。

このことは、私の著書
ITエンジニアのための「人生戦略」の教科書
の、
「3−6.収入を自分で決めることの意味とは?」
に詳しく書いています。

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