今のSNS全盛時代は企業も個人も情報発信が欠かせません。少し前までは情報発信は「やりたい人がやれば良い」という選択式でしたが今となっては必須科目だと思います。ところが、やはりアラフォー世代以上の世代の方々はどうやって発信すれば良いか、なかなかコツが掴めない人が多いようです。そこで今回は、アラフォー世代以上の方がどのように情報発信をしていけば良いかについて解説します。
インターネットはボーダレス。
ネットに繋がる環境があれば、誰でも平等に同じ情報にアクセスできる、はず。
ところが、趣味嗜好が異なるため、世代間によって滞在するSNSや取得する情報が全く異なっています。
例えば音楽歌手の情報に関しても、
- 10代に人気の歌手
- 20代に人気の歌手
- 30代に人気の歌手
- 40代に人気の歌手
- 50代に人気の歌手
- 60代に人気の歌手
- 70代に人気の歌手
- 80代に人気の歌手
という感じに分かれています。
当然ながら、自分の年代のレンジ以外の情報には疎くなります。
これと同じことが、SNSにも起きています。
世代間により異なるSNSの活用方法
そしてSNSでいえば、
- YouTube
- Snapchat
- TikTok
の順に、下にいくほど若い世代が利用しているというイメージ。
すると、そこでやり取りされている情報に「差異」が生じてしまいます。
この「世代間格差」の影響によって、現在私がとても危惧していることがあります。
それは、水面下で20歳〜30歳にかけての「ネオ・デジタルネイティブ世代」が力を伸ばし、SNSを中心として影響力を増しつつある、ということ。
これには良い側面と悪い側面があります。
良い側面としては、若い世代を中心に新たな価値が作られ、社会がより良くなっていく、ということ。もしくは、「子供たちの未来は明るい」ということ。
悪い側面としては、持てる者と持たざる者の「二極化」がますます進み、持たざる者になってしまった場合、非常にひもじい思いをするハメになる、ということです。
あなたは自分の両親にパソコンやスマホの使い方を説明し、イライラした経験があるのではないでしょうか?
そもそも基本的なことがわかっていないし、慣れていないので、まるで保育園児に算数を教えるような感じになってしまいます。自分が赤ちゃんの時は両親から様々なことを教わっていたはずなのに、いつの間にか立場が逆転しているわけです。
さらには、時代の変化と共に経済界の主役がどんどんシフトしていっている、ということです。
例えば昭和の時代の経済界の主役は50代〜60代。当時は40代で社長になってもまだ「若い」と言われていました。これが平成になり、さらにはネット社会が到来し、最低資本金制度も撤廃されて、今や20代や30代で社長になるのは全く珍しいことではなくなりました。
そしてSNS界隈で多数のフォロワーを獲得しているインフルエンサーは20代〜30代が中心です。
また、SNSに限らず、世の中を変革するようなサービスは、たいてい起業家達が若いときに生まれています。
GAFA(ガーファ)は20代の若者達によって創られたという事実
例えば、現在毎日のように世間を騒がせている、GAFA(ガーファ)と呼ばれるIT系の大手企業
G・・・Google
A・・・Amazon
F・・・Facebook
A・・・Apple
が、創業者達が何歳の時に創業されたかというと、
- Google
1998年にラリー・ペイジおよびセルゲイ・ブリンが共に25歳で創業 - Facebook
2004年にマーク・ザッカーバーグが20歳で創業 - Apple
1976年にスティーブ・ジョブズ(当時21歳)、スティーブ・ウォズニアック(当時26歳)が創業 - Amazon
1994年にジェフ・ベゾスが30歳で創業
と、見事に20歳〜30歳の間に入っています。
そして、インターネット黎明期にもっと早く世界の覇権を取ったマイクロソフトも、1975年にビル・ゲイツ(当時20歳)とポール・アレン(当時22歳)が創業。
さらに、日本国内でもベンチャーからスタートアップしてITをうまく活用して日本を代表する有名企業に成長した企業達も、
- Mixi
2004年に笠原健治さんが29歳で創業 - GREE
2004年に田中良和さんが27歳で創業 - ZOZOTOWN
1998年に前澤友作さんが23歳で創業 - 価格コム&食べログ
1997年に槙野光昭さんが24歳で創業
と、見事に創業者が20代の時にスタートアップしています。
この理由はつまり、
ネットビジネスでは大人が若者達に勝てない理由:ネオ・デジタルネイティブ世代の驚異とは?
https://hirajo.com/neo-digital-native
に書いたとおり、20代の頃は「可処分時間」が沢山あり、新しい技術に触れる機会も多く、また激安な生活コストでも耐えられるメンタリティ、さらには体力を兼ね備えているため、ベンチャー企業が生まれやすい、と考えています。
私の場合も、2004年に当時26歳で@SOHOを創業し、15年以上が経過しました。
私の場合は最初から自由が欲しかったので株式上場といった険しい道は選択せず、莫大な資産を築いたというわけでもありませんが、家族で海外の先進国に住み、子供を現地のプライベートスクールに通わせるぐらいの生活が実現できたのも、やはり20代の頃にひたすら我武者羅に頑張ってビジネスの基盤を作ることができたからだと思います。
今、20代の「ネオ・デジタルネイティブ世代」が何をしているのか?
そして最近、あらためて自分よりも若い世代の人達を見渡してみたところ、面白いことがわかりました。現在はSNSによるインフラが整い、面白い情報や良い情報は瞬時にして世界を駆け巡るようになっています。
この「SNS全盛時代」において、活躍しているのはやはり20歳〜30歳にかけての、「ネオ・デジタルネイティブ世代」。
私は少し前にtwitterを本格的に運用し始めました。その理由は、情報発信において2011年からメインで運用してきたメールマガジン。
SNSの利用者数が増えるにつれ、メールマガジンの精読率が下がっており、最近の動向を探ってみたところ、twitterとYouTubeが伸びている、ということがわかったからでした。
驚いたことに、「ネオ・デジタルネイティブ世代」の若者達は、既にtwitterで万単位のフォロワー、YouTubeでも数千名以上のフォロワーを当たり前のように獲得し、どんどん情報発信をしています。
50代のアラフィフ世代、60代のアラ還世代はまず手取り足取り教えてもらわないとできるようにならない世代であり、私と同じアラフォー世代は、20代の頃にネット社会が到来したため、パソコンをよく使う仕事についていれば、ギリ「自分で検索エンジンで調べて自己解決する」というスタイルが身についています。
そして20代〜30代のネオ・デジタルネイティブ世代にとっては自己解決できるのが基本形であり、さらにはそこにオリジナリティを加え、進化させることができるようです。さらには自分たちで独自の文化を作ることもできます。(これに関してはいつの時代も同じ。)
世代によって得意とするマーケティング手法も異なり、
- 50代〜60代
飛び込み営業、テレアポ、訪問販売、ネットワークビジネス、代理店ビジネス - 30代〜40代
プロダクトローンチ、DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)
といった感じ。
これに対して、今の20代はSNSを使って大量のフォロワーを獲得し、インフルエンサーとしての発言力をつけ、そしてマーケティングのやりかたも凄く綺麗で、人から恨みをかったり詐欺と呼ばれたりするようなことは殆ど無く、とても上手にビジネスをしているように見受けられます。
歴史から判断しても、彼らのやり方が主流になり、時代を変えていくことは明白。彼らは濃いファンをなるべく沢山集めることが人望となり最終的には資産となることを肌で理解しており実践できているようです。
アラフォー世代以降の人達の関心事は、子供や家族の生活のこと、両親の老後のこと、そして自分自身の老後のことだと思います。安心した老後を迎えるために、ネットビジネスにチャレンジしている人は多い。
そして普段、自分のライバルとして意識しているのは同世代が中心だと思いますが、実はこのように「若い世代」が既に先へ先へと進んでしまっているのです。
「可処分所得」が若者達に奪われていく?
資本主義は「ゼロサムゲーム」と言われており、富は有限であり、それをプレイヤー達が取り合っている、という考え方が一般的です。
これに関連して「可処分所得」という言葉があり、これは人々が収入から生活のための支出を除いた余剰資金のことを示しており、自己投資や娯楽、将来への資産運用といった費用はここから捻出されます。
つまり、B2C(一般消費者をターゲットにしたビジネス)とはサービス提供者による「可処分所得の奪い合い」といっても過言ではありません。
この可処分所得の奪い合いのライバルが、もはや同世代だけでなく、下は中学生から台頭してきている、というのが私の見立てなのです。
では、我々アラフォー世代以上の人達が何をすべきなのかというと、無駄なプライドは捨てて、彼らの実力を認め、彼らから習うということだと思います。
まさに既に「パラダイム・シフト」が起きており、今ここに気づいておかないと、老後に明るい未来は来ないでしょう。
では、悲観するしか無いのか?
暗い話題だけではつまらないので、明るい話題もお伝えさせて頂くと・・・
SNSのメインプレイヤーは既にネオ・デジタルネイティブ世代となっていて、SNSの活用法については彼らから習う必要があると説明しました。また、彼らから可処分所得が奪われていくとも説明しました。
今、世の中は確実にその方向に向かっているけれど、実はSNSを活用したビジネスが完全に若者達に奪われるというわけでもありません。
その理由はいかにネット社会がボーダレスだといっても、各年代の人達には思考のフィルターがかかっているため、情報の取り方に世代間の差が発生しているからです。
例えば、芸能やエンターティメント系を除いて、
「60代の人がネット上で20代の情報にアクセスすることはかなりレアケースである」
と考えて良いでしょう。(またその逆も同じ)
私の経験からも、情報発信者のフォロワーはだいたいその人の年齢の±5歳といったところです。
実際、私のFacebookとInstagramのフォロワーさんの年代別割合を見てみると、見事にこのルールに合致していることがわかります。
これを見る限り、私の情報を取得しているネオ・デジタルネイティブ世代の割合はかなり少ないと言うことができます。
これは逆もしかりで、おそらくネオ・デジタルネイティブ世代の情報を取得しているアラフォー以上の世代の割合は、1割以下だと予測することができます。
従って、アラフォー以上の世代全員が、ネオ・デジタルネイティブ世代に食われる、ということは起こりにくそうです。
つまり、今我々がすべきことは、同世代の誰よりも早く、ネオ・デジタルネイティブ世代のやり方を学び、それを実践することで、同世代の中でのセロサムゲームに勝つということです。
既にYouTubeでは80代のおばあちゃんのユーチューバーまで誕生しています。これはネタ的に面白いので、若い世代からも見られている可能性があるのですが。
あなたは若い世代から学ぶだけで、同世代では「SNSの超新星」として輝くことができるのです。
結論
昔からIT関係のビジネスはアメリカが先行し、アメリカで流行ったビジネスモデルを日本に持ってくれば成功確率が高まるという法則がありましたが、今は「20代から学び、自分の世代向けに展開すれば成功できる」と断言することができます。
私は20代前半からネット社会にどっぷりと浸かり、その変遷をずっとこの目で見てきたので、ネオ・デジタルネイティブ世代の人達が活躍している理由もよく理解しています。