原価が存在するモノと違い、
厳密には原価があるのだけれど、
それが客観的に見えづらいのが、
「情報」という商品だ。
だから情報発信ビジネスをしたいと考えた時、
多くの方が悩んでしまうのが価格設定。
しかし、あなたも本日お伝えする
「8つの鉄則」を知っておけば、
もう価格設定について悩む必要は無くなるので、
それをお伝えしたいと思う。
①価格設定の基本
初めてビジネスをする時に、
何を基準にして決めれば良いか、
誰もが悩むポイントだ。
サラリーマン時代は、
まず会社から給料が決められていて、
与えられた仕事をこなしていけば良いが、
自分のビジネスの場合は、
先に自分の価格を決めて市場に
提示する必要がある。
ここで問題となるのは、
良心的な設定をしたからといって
(つまり、安く設定したからといって)
必ずしも顧客から感謝されるわけではない、
ということだ。
男の経験上、
顧客は自分が払った金額の分しか、
価値を受け取らない
という性質がある。
男は普段、文章で記事を書くにしても
対面でアドバイスをする場合にしても、
「自分が出せる最高のアウトプット」
というものを心がけている。
(この記事もそうだ。)
「有料級の情報」
という言葉があるけれど、
男の場合無料であっても
最高のアウトプットをするという
ことを心がけているので、
有料級の情報と言って頂けることが多い。
しかし、顧客の行動をよく分析してみると、
同じ情報を
- 無料で提供した場合
- 3,000円で提供した場合
- 1万円で提供した場合
- 10万円で提供した場合
とでは、顧客の行動が明らかに変わってくる。
あなたは意外に思うかもしれないが、
この中で高額で提供すればするほど、
顧客の満足度は高まっていくのだ。
では一概に高額にすれば良いというものでもなく、
高額になればなるほど、
成約するための難易度が上がるため、
販売スキルを必要とする。
単発の案内ではなく、
複数回に分けて案内を送ったり、
綺麗に作り込んだセールスページを用意したり、
プロモーション動画を用意したりと、
販売にかかる労力も上がっていく。
もちろん、最も大事なのは、
本当に価値のある情報を伝える
という販売者のスタンスだ。
価値の無い情報を価値のあるように
見せかけて販売するのは問題外だとして、
価値のある情報を魅力的に販売することは、
顧客にとっても大事なことなのだ。
化粧品やブランド品だって、
原価10%以下の商品を、
あたかも価値のあるように売っている。
一流のブランド品は確かに
デザインは品質が良く、長く使えるし、
「所有欲を満たす」
という価値を与えてくれるので、
それはそれで良いと思うし、
中古品として販売する際にも
それなりに高価格で売れるので、
原価以外の「情報」という
付加価値がきちんとついているので
良いのだと思うが、
価格設定時のそもそもの動機は
「顧客に夢を与える」
という点が付加価値に
なっているという点で、
商品原価とはまた別の価値が
発生しているのだ。
例えば、エルメスと同じデザイン、
品質のバッグがノーブランドで
売られていたとして、
10分の1の金額でも買う人がいるだろうか?
エルメスのバーキンが100万円以上でも
買う人がつくのは、
商品の価値そのものだけではなく、
エルメスが世界的なセレブを使って
商品を告知し、
長年かけてブランドイメージを
構築してきたからに他ならない。
つまり、エルメスのバーキンを
持つことによって自分もセレブ感を味わえる、
という夢を付加価値として売っているのだ。
機能性や耐久性だけであれば、
もっと安く手に入るバッグは
幾らでも存在するわけなので。
前置きが長くなってしまったが、
商品の価格というものは、
こういった「顧客心理」を上手に加味することで、
顧客から喜ばれつつ、
販売者もきちんと利益を確保する
という設計が可能なのだ。
多くの方が、まず同業者の価格帯を調べて
それに合わせて設定しようとするけれど、
個人が提供する情報というものは唯一無二であり、
その価値にもかなり変動要素があるので、
そもそも相場を意識すること自体、
無意味なのだ。
では、具体的にどのように
価格設定をすれば良いのか?
男は2011年から情報発信ビジネスを
行ってきた経験から導き出した結論として、
価格設定方法を次の2つにシンプルに
まとめることができた。
それは、
の2つに分けて考える
というやり方だ。
1)自分の時間を使う場合(労働集約型)
個人コンサルのように、
売上が発生した後に自分の時間を
使う必要がある商品の場合は、
あらかじめ決めた自分の時間単価をもとに
設定するという方法だ。
あなたがまだ起業したことが無いという場合は、
現在雇われとしてもらっている報酬をもとに
決めると心にざわつきが無いだろう。
まだ駆け出しだからといって
格安に設定する必要はなく、
最低限、現在給料としてもらっている以上の
単価であればあなた自信の
モチベーションも上がるだろうし、
成約後に行うサービスにも、
より力が入るのではないだろうか?
ちなみに、会社というものは
あなたがもらっている給料以上の金額を
顧客から受け取っている。
会社規模や業種によっても異なるが、
一般的には会社は従業員に支払う給料の
1.5倍以上の金額を顧客から受け取っている。
(多い場合は5倍以上になることも。。)
そこには会社として経営を成り立たせるための
各種の必要経費がのっかっているからだ。
人件費を安く抑えることができる
派遣社員の場合でも、
派遣会社が取る手数料は20%程度なので、
顧客はあなたが受け取る報酬の1.2倍を支払っている。
つまり、あなたが自分のサービスを提供する場合、
それまでもらっていた額の同等以上に設定しても、
全く問題ないということだし、
そうしたほうが精神衛生上良いだろう。
2)自分の時間を使わない場合(非労働集約型)
一方で、コンテンツ販売といった
成約後に自分の時間を使う必要の無い、
非労働集約型の商品の場合には、
相場観を意識した価格設定をすると良いだろう。
これも業種によって異なってくるけれど、
例えばオンラインでのセミナーであれば
せいぜい3,000円〜2万円の範囲だし、
半年や1年ぐらいのグループコンサル型の
講座の説明会をオフラインで開催する場合、
3,000円〜5,000円程度が相場となっている。
この場合も、本来は価格の設定は自由なのだけれど、
価格が上がれば上がるほど、
販売の仕組みづくりにコストがかかるので、
相場に合わせておいたほうがわかりやすいし、
オンラインコンテンツの販売であれば
販売数に制限は無いため、
数を捌くことで高い売上と利益を
確保することが可能になるからだ。
以上が、価格設定の基本的な考え方になる。
②「98戦略」を取り入れる
次に、これはどんなビジネスでも
共通する点として、
1,000円よりも980円
3,000円よりも2,980円
といった感じで、キリの良い数字よりも
少し下げることによあって、
お得感を演出するというものだ。
高級ブランドのような
高級感が売りのような商品に関しては
例外的にこの法則は当てはまらないと思うが、
そうでない場合、
特に非労働集約型の商品の場合は
この法則を意識して値付けすると良いだろう。
この「98」という数字を何桁目に
設定するかもバランスがあって、
例えば100万円の商品に999,800円
というのはナンセンスで、
100万円の場合は98万円にするのが
妥当だと思う。
このあたりのバランス感覚も重要だ。
③消費税は「内税」にする
アップルではないけれど、
商品価格は税抜きで表示されていて、
決済時に税込価格が表示されると、
人はやはり「損をした」
気持ちになってしまう(苦笑
消費税が好きという奇特な人でない限り、
これは誰もが払いたくないもの、
そして「意識したくないもの」なのだ。
だから税抜価格を表記している人は、
あえて「消費税は幾らですよ」
とアピールしていることになり、
高額商品になればなるほど、
用いるべきではないと思う。
先程の「98戦略」と合わせて考えると、
表示価格:3,000円(税抜)
↓
購入時:3,300円(税込)
という表記よりも、
表示価格:2,980円(税込)
と表記されいたほうが、
あなたは気持ち良く
購入できるのではないだろうか?
というのが大前提なのだけれど、
先にも書いたとおり、
情報というものは安くすれば
顧客が喜んでくれるわけではないので、
この98戦略を必ずしも適用せねばらなない、
というわけでもない。
時と場合によっては、
「安っぽさ」が出てしまうことにも
繋がるからだ。
男は最近3,000円で商品を販売する時は
そのまま税込3,000円で販売しているのは、
ただ単に計算がしやすいから。
1万円以上の商品に関しては、
きちんと「98戦略+内税」で表記している。
④「まとめ買い」による割引設定
これも高級ブランド品を除いて有効な手段で、
1つ購入するよりも2つ購入した場合、
2つ購入するよりも3つ購入した場合に
割引価格を設定するというものだ。
月額制のサブスクリプション型のモデルであれば、
月払いよりも半年払い、1年払いで
支払って頂くと割引になるというやり方だ。
これは顧客側にとってもメリットがあり、
先に「まとめ買い」という決意をして
下さることにより、金銭的負担が下がることになる。
顧客ロイヤリティ(顧客からの信頼や愛着)
が高い方ほど、このまとめ買いをして下さる
可能性が高いので、
これは顧客からも喜ばれることになり、
積極的に提案していきたいところだ。
⑤無料のイベントはやったほうが良いか?
この答えは、
「自信が無いから無料にするのはNG」
「戦略的な無料イベントはOK」
ということになる。
まだビジネス経験が浅い場合、
自信も少ないのでついつい弱気になり、
無料で提供したくなる。
これの問題点は3点ある。
1つ目は先に書いたとおり
「無料で手にした情報には価値を感じにくい」
という人間の心理特性によるもの、
2つ目は自分に自信が無いということは
サービス提供に対して甘えが生じやすくなり
相手が価値を感じてくれなくても
しょうがないだろう
という心理になりやすいのだ。
つまり自分に自信が無いから
無料で提供するというのは、
相手を思ってのことではなく、
自信が無い自分に対して甘えという
心のゆとりを持たせるための
「逃げ」に過ぎないということだ。
自信が無くても最初から有料で提供すれば、
提供する際により真剣に取り組むだろうし、
結果的に顧客も価値を感じてもらいやすくなる。
男はこれまで、
「自信が無いから無料で」
という人が、
無料のまま自然消滅してしまった事例を
沢山見てきた。
だからここまでこの文章を読み進めて下さった
あなたには、
勇気を持って最初から有料でサービスを
提供して欲しいと思う。
3つ目の問題は、
無料サービスは
「クレクレ星人」
を集めてしまうということだ。
クレクレ星人とは、
「無料だったらサービを受ける」
「有料だったらサービスを受けない」
という、最初から無料のものにしか
興味が無い人のこと。
こういう人にいくらサービス提供をしても、
あなたの顧客になってくれる可能性は
限りなく低い。
つまり、時間の無駄ということだ。
無料のサービスは、
見込み顧客に「お試し」の機会を提供できる
メリットがある反面、
こういったクレクレ星人をひきつけやすい
という点に注意が必要だ。
では、無料のサービスは
一切やらないほうが良いかというとい、
そうでもない。
それが、「戦略的な無料サービス」
というものだ。
どういうことかというと、
サービスを無料で提供する代わりに、
将来的にそれが対価に変わる導線設計を
しっかりと作り込んでおくということだ。
例えば、有料で提供していたコンテンツを
無料開放する場合、
ただ単に、無料で公開するのではなく、
メルマガや公式LINEへの登録特典とする。
すると、クレクレ星人も混ざってはくるが、
その中に将来的に本当の顧客となって
下さる方も入ってくるので、
その方が有料商品を購入して下さる可能性がある。
また、お試しでの無料コンサルやセッションをする場合。
これも常時やっていると、
クレクレ星人を引き寄せてしまい、
あなた自身が疲弊してしまうことになる。
なので期間や人数を限定して
不定期に開催するのだ。
すると、その中に実は
「本物の顧客」も含まれてくる。
「松竹梅」の3部構成こそが売上を最大化し、顧客満足度も上がる
に書いたとおり、
同じターゲット層に対して
松竹梅という3段階の商品設計をすることが
売上と利益の最大化に繋がるのだが、
高価格の商品を購入する人の特徴として、
という傾向があるのだ。
これは、高価格の商品を購入する人は
それだけ本気度が高いので、
逆に中途半端な価格の商品には手を出さない、
ということなのかもしれない。
エルメスのバーキンを買う人が
決してユニクロのバッグを買わないのと同じように。
つまり、今まであなたのフロント商品となる
低価格の商品を購入していない方の中に、
高価格の商品を購入して下さるかもしれない、
本気度の高い見込み顧客が潜在的に存在するのだ。
従ってコンサルやセッションのような、
自分の時間を使うサービスの場合、
期間や人数を限定して、
不定期に無料提供するのはアリだと思う。
もちろん、あなたのビジネスがうまく回りだして、
無料で提供しなくても潤っているのであれば、
無料で提供する必要は無い。
⑥料金表は表に出したほうが良いか?
この答えは「Yes」だ。
しかし数年前までは、「No」だった。
それはなぜかというと、
昔は情報発信ビジネスというものが
世の中に定着しておらず「怪しい」
というイメージがあったから。
なので最初から料金表を表に出すのではなく、
まずは無料コンテンツで信頼を獲得し、
徐々に有料サービスの提案をしていく、
という流れが有効だった。
ところが、今となっては
情報発信ビジネスは社会的に認知されており、
「誰かに指導して欲しい」
という人も増えている。
このような状況においては、
そもそも料金表が出ていないと、
あなたが有料サービスを提供している
ということさえ見込み顧客に認知されず、
「お金を払ってでも教わりたい」
という優良顧客に
素通りされることになってしまう。
高額商品を持っている人ほど、
価格を隠したがる傾向があるが、
逆に高額商品を持っていることで、
その人のブランドが形作られるという側面もある。
(あの人のコンサルは1時間10万円らしいよ)
という噂が広がり、
それがあなたのブランドイメージとして
定着していくのだ。
さらに、高単価な商品によって
あなた自身のブランドイメージが作られていると、
中価格や低価格の商品を出した時に
「お得感」が増し、
成約率や顧客満足度を高める効果が発生する。
だからあなたがもし
高単価商品を持っているのであれば、
ぜひ堂々と公開されると良いと思う。
⑦基本価格と特別価格を設定する
人間というものは、
買い物をする時に一種の
「射幸心」を抱くという。
つまり、商品やサービスを購入することにより、
自分の生活がそれまでよりも幸せになる、
という希望を抱いているのだ。
だから、同じお金を払うという行為でも、
交通違反の罰金のようなものにお金を払う場合と、
自ら意思決定して購入を決意した場合とでは、
幸せ感が真逆になるのだ。
そして、「本来の価値よりも安く手に入った」
と思うと人はより射幸心が増すようだ。
なので、一部の高級ブランドを除いて、
世の中のありとあらゆる
商品やサービスが、割引価格で販売されている。
が、裏を返せばそれで成り立っているということは、
割引価格で売っても利益が出るということであり、
まずは赤字にならない程度の
限界割引価格を設定しておいて、
そこから逆算して定価を設定しているのだ。
つまり、賢い経営者達は、
定価で売れれば儲けもの、
割引価格で売っても儲ける、
という仕組みを作っているのだ。
そして顧客側は割引価格で購入できたことに
より射幸心を感じるので、顧客満足度も上がる。
従って割引価格を用意することは、
顧客にとっては良いことになるのだが、
販売者にとってはどうだろうか?
これも、先に自分が売りたい価格を決めて、
それを割引価格として設定し、
そこから逆算して定価を決めれば、
痛くも痒くもないわけだ。
つまり、もしあなたが最終的に
1万円で商品を売りたい場合、
1万円を割引価格に設定し、
定価をより高い金額に設定するということだ。
先に述べた「98戦略」も用いるとすれば、
特別価格:9,800円(税込)
という形にするというわけだ。
但し、ここで注意しなければならない点がある。
二重価格に注意
悪徳業者がこの方法を乱発し、
顧客を煽って販売する事例が増えたため、
「景品表示法」が改正され、
二重価格を表示する際に注意が必要となった。
ここに書かれている内容を分析すると、
問題となるのは次のようなケース。
2)実際には値上げするつもりが無いのに値上げ予告をするケース
では、これに対してどのような対策を取れば良いのか?
それは、
2)値上げ予告をしたら確実に値上げする
の2点を守れば良いのだ。
つまり、シンプルに整理すると
「嘘をつかない」ということだ。
なので、もともと正直にビジネスをされている
方であれば、特に意識しなくても大丈夫のようだ。
こういった意味でも、普段から料金表を
公式サイトに掲載しておくという行為は
その価格での販売実績を作ることになるため、
やはり料金表の公開はこの観点からも、
意味があるということになる。
⑧値上げは正義だと考える
あなたが自分のサービスにどれだけ自信があっても、
それが確信に変わる時というのは、
その価格で「売れた瞬間」だ。
情報の価値というものは
それを受け取る人にとっても千差万別であるため、
1時間10万円のコンサルティングが
人によっては100万円以上の価値として
受け取られたり、
全くの無価値であったりするわけだ。
だから、「実際にその価格で売れた」
という実績というものが重要になってくる。
この点をふまえて、
最初のうちは本来あなたが
受け取りたいと考えている金額から下げて提供し、
実績がついてきたら徐々に上げていく、
という考え方はアリだ。
最初に書いたように人というものは
自分が払った分の対価しか受け取ろうとしない
という性質があるため、
値段を上げることは悪いことではないし、
きちんとした実績を伴った値上げであれば、
罪悪感を感じる必要は全く無いのだ。
では、きちんとした実績とは何か?
それは、
- 情報の質
- 購入者の実績
というものだ。
サービス内容を変えずに値段だけを上げるのは
本当に単なる値上げにすぎないが、
提供する情報を加えたり改善したり、
また過去に購入した顧客の実績が伴ってくれば、
実質的にあなたの情報の価値が
増しているということになる。
男も、値上げをする時には必ず、
情報やサービスの質や量も高めるようにしている。
つまり、正確に表現すると値上げではなく
「サービスの質を伴った価格改定」
ということになる。
以上、商品の価格を設定する際に
誰もがつまづくポイントについて、
8つの項目に分けて解説させて頂いた。
ここまで読んで頂ければ、
商品価格の設定について
かなり疑問が解決できたのではないだろうか?
「自分の時間を使う場合(労働集約型)」
「自分の時間を使わない場合(非労働集約型)」